今回は自分を見つめ直すときに最適な本のご紹介です。
本を読めば知識になり、教養になり勇気になり情熱になる。
そんな可能性を秘めているのが読書です。
東大生が読んでいる、これからの社会を生きる上で重要な考え方を知ることができような本を紹介させていただきます。
今回は自分の行き方を見つめ直す現代小説を10点どうぞ
ブレイブ・ストーリー 宮部みゆき
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言わずと知れた宮部みゆきさんです。
本屋大賞2019にノミネートされた候補作品は?そもそも、本屋大賞って?
本屋大賞の審査員さんをやっていたり、1987年出版のデビュー作「我らが隣人の犯罪」が有名になったりしました。
我らが隣人の犯罪
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『火車』(山本周五郎賞受賞)
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『理由』(直木賞受賞)
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このブレイブ・ストーリーは家族が離散したふたりの子どもが主人公です。
その主人公ふたりが異世界に行って「その結末を変えよう」「自分の願いを叶えよう」と奮闘する物語です。
彼らの前に現れる様々な試練。
そして迫られる選択。
その選択の結末を受けいれ進む主人公の「強さ」。
この主人公の中に読者は人間の人生の輝きを見ることができるでしょう。
それを通じて自分の人生を省みて、なんとかなる、まだまだ自分もやれる!!
そう思わせてくれる作品です。
ヴェスタ・エスタ・ホリシア。 再びあいま見える時まで。 幻界に、現世に。 人の子の生に限りはあれど、命は永遠なり
本文より
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映画化もされていますので、読書をし慣れていないという方は、こちらからどうぞ
主題歌は私の大好きなAqua Timezの「決意の朝に」でした。
決意の朝に Aqua Timez
幸福な食卓 瀬尾まいこ
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2019年本屋大賞受賞「そして、バトンは渡された」の著者瀬尾まいこさんです。
今年の本屋大賞は『そして、バトンは渡された』 瀬尾まいこ(文藝春秋)おめでとうございます!!
そして、バトンは渡された
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卵の緒
2001年、『卵の緒』で第7回坊ちゃん文学賞大賞を受賞でデビュー
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今回ご紹介する『幸福な食卓』は、第26回吉川英治文学新人賞を受賞。
生きるのに必死な、ちょっとヘンな家族の姿は、明日へと生きる希望をくれることでしょう。
日常で起こる問題に家族がごく当たり前に立ち向かう。
その姿に強烈さやインパクトはまったくありませんが、ただのんびりと物語は進んでいきます。
このごく当たり前の姿は他の作品にはない、日常の大切さ、普通の幸せ、そういったものの価値を改めて認識させてくれる作品です。
億男 川村元気
『億男(おくおとこ)』川村元気著 2018年映画化作品のあらすじは
以前あらすじを書かせていただいた「億男」も読んだ方がいい1冊に入っています。
お金の本質を探しに行く物語です。
お金という人間の欲望のあり方の先にあるのは「幸福とはなにか?」という問いです。幸福とはなんなのか?
人間が一番悩むお金を考えるきっかけになるような本です。
引き込まれてすぐに読めてしまいます。
『億男(おくおとこ)』川村元気著 2018年映画化作品のあらすじは
ゴールデンスランバー 伊坂幸太郎
伊坂幸太郎
オーデュポンの祈り
2000年『オーデュポンの祈り』:第5回新潮ミステリー倶楽部賞でデビュー
重力ピエロ
2003年の『重力ピエロ』
アヒルと鴨のコインロッカー
『アヒルと鴨のコインロッカー』:第25回吉川英治文学新人賞
伊坂幸太郎さんの作品は、本屋大賞に、第1回から第4回まで連続ノミネートされた後、第5回に『ゴールデンスランバー』で受賞。
今回ご紹介する作品がその受賞作品ゴールデンスランバーです。
またこのゴールデンスランバーでは、第21回山本周五郎賞も受賞しています。
直木賞は、『重力ピエロ』、『チルドレン』、『グラスホッパー』、『死神の精度』、『砂漠』で候補となったそれ以降、選考対象となること自体を辞退しています。
僕の方から言えることはあまりありません。ただ、他の賞と比べて(直木賞は)注目度が違う。今は精神的にまいってしまってもいるので、執筆に専念するため静かになりたいという思いが強かった
夕刊フジの取材時
直木賞はそれほど、伊坂幸太郎さんの精神を蝕んでしまう影響力を持った賞だということがわかりますね。
こういった作者自身の生き方からも、自分の人生を鑑みるチャンスになりますね。
本屋大賞2019にノミネートされた候補作品は?そもそも、本屋大賞って?
こちらは、本屋大賞候補作
本屋大賞2019にノミネートされた候補作品は?そもそも、本屋大賞って?
フーガはユーガ
無実の罪を着せられた主人公の手助けをしてくれる様々な人たちが、狂っていたり、息苦しさを感じたりしながらもまっすぐに自分の人生を生きている。
まっすぐな人生を生きているからこそ、主人公に手を貸してくれるということがわかる作品です。
主人公の姿、生き様がをみせてくれる魅力的な作品です。
本屋大賞2019!ノミネートされた候補は10作品!絶対話題になる本屋大賞を受賞する作品はどれか!?
プリンセス・トヨトミ 万城目 学
プリンセス・トヨトミの舞台は独立国家大阪。
そこを舞台に、生きる上で誰もが衝突する、親子や男女の壁をフィクションの視点から教えてくれるところに面白さがあります。
ありふれた、あたり前に大切なことを主題にし、親子、男女といった普遍的な人言社会の関係役割の中にある人間の本質を知る中で、自分というものの役割をより、理解することができます。
鹿男あをによし
トイレのピエタ 松永大司
映画化もされています。
手塚治虫が氏が亡くなる直前まで書いていた最後のページからヒントを得て作られた作品です。
突然医者から余命3ヶ月だと告げられて途方に暮れていた主人公は生きるということを真剣に考え始めます。
その中で出会うひとりの女子高生。
この世界には必要とされていないのに死ねない人、生きたいと誰よりも願っているのに死んでしまう人、生きていても死んでいても同じような人も存在します。
それを見て自分たちはどう生きればいいのか思い悩み続けます。
主人公が最後に下した決断と、最後の言葉。
それを受け、残されたものはどう感じどう生きるのか。
それらの決断を見た時、自分の人生をどう生きるのか、どうしたらいいのかわからない方も、見つけることがもしかしたらできるのかもしれません。
帰ってきたヒトラー ティムール・ヴェルメシュ
こちらも映像化されています。
「ヒトラーがタイムスリップして現代に来たらどうなるか?」というフィクションをテーマに書かれています。
現代のドイツに現れたヒトラーが、ヒトラーのそっくりさんと勘違いされテレビに出演し、民衆は影響を受けます。
ヒトラー自身はこの時代で何を見て、何を感じるのか、また現代人は彼を見てどう感じるのか、を丁寧に描いています。
そしてこの作品のラストは印象的です。
みなさんはどうお考えになるでしょうか?
よかったら感想など教えてくださいね。
明日の子供たち 有川浩
言わずと知れた人気作家の「有川浩」さん。女性です。
有川浩さんはライトノベル出身の作家さんで、作品はありふれたものと、その反対側にある一番遠いものを題材にし、掛け合わせた物語が特徴です。
図書館戦争
こちらの「図書館戦争」は大人気になりましたね。
映画化もされました。
「明日の子供たち」の舞台は「児童養護施設」。
まずみなさんは養護施設の内情をご存知でしょうか?
私は恥ずかしながら知りませんでした。
そして、そこで生きる子供の成熟度、ひとりで生きて行かなければならないという強さに驚愕します。
大人になるということは一体どういうことなのでしょうか?必要なこととは?
それらを考えるきっかけを得られる1冊です。
しゃばけ 畠中恵
畠中恵
江戸時代の薬種問屋の若だんなと妖たちの物語です。
長編シリーズで2001年から始まり、2019年現在未だ連載が続いている大人気シリーズです。
純粋で優しい若だんなは、どんな妖怪も醜い人間も分け隔てなく接し問題を解決します。そんな彼の姿を見て、現実社会にも現れる意地悪な人間や形の違う人間にも自分はそう接せられるのか、鑑みることもできる作品です。
木馬の騎手 三浦哲郎
三浦哲郎(みうら てつお)
この作品『木馬の騎手』(新潮社)は 1979年に出版されました。
この作品の視点は子供。
そして子供の目から見た物語で独特の世界観を醸し出しています。
子供の知識や価値観では「わからない」大人の感情や物語の裏側がわからないまま進み、読者だけがそれに気づく。
そういった面白さがあります。
子供の持つ視線の純粋さから我々大人たちの行動を省みることができるでしょう。
忍ぶ川
青森県八戸市三日町の呉服屋「丸三」の三男として生まれた著者 三浦哲郎さん。
次々とご兄弟が亡くなったり、失踪してしまったりする中で、小説を書き始めました。
1961(昭和36)年に忍ぶ川で芥川賞を受賞しました!!
青空文庫って何?芥川賞作品は載っている?著作権が切れた作品が読み放題の青空文庫の解説
作品には著者の思いがたっぷり載っているので、それらの小説を読むことによって、芥川賞をとった著者でさえ、こんなことで悩んでいるんだと思えることでひとりじゃないという思いが芽生え、自分の人生について真剣に向き合えるきっかけとなることでしょう。
自分を見つめ直す、人生を見つめ直すのに最適なおすすめ本10冊 まとめ
これらの物語を読んで何か考えるきっかけや、普通の幸福について改めて感じていただければと思います。自分の在り方、生き方を見つめ直す本。
いかがでしたでしょうか?