本日は書架整理のおはなしをします。
書架整理(ショカ セイリ)と読みます。
図書館用語を徹底解析!「ショカ」や「ショゾウ」ってなんだろう
書架整理は図書館員として図書館の仕事を教わるとき一番最初に習います。
書架整理ができていると、そのあとのレファレンスや所蔵調査がすんなりできるようになるんです。
大事な図書館の仕事のひとつです。
書架整理ってどうやるの?
書架整理ももちろん図書館ごとに違います。
大人の本の場合は、十進分類法に基づいた並べ方をします。
▼十進分類法についてはこちらをどうぞ
【図書館の本の並べ方】図書館って本がどこにあるかわからない!図書館ってどうやって本を並べているの?図書館での本の並べ方を知ろう!
もちろん例外はでてきてしまいますが、
背ラベルの住所にそって並んでいるはずなのでそれをもっと綺麗に並べていくイメージです。
配架と書架整理の違いは?
配架
利用者さんが借りていた本を元の本棚に返す作業です。
書架整理
- 背ラベルを目で追い、違う住所の本が混じっていないかを見る作業
- 見た目も美しくするために整える作業
があります。
書架整理の仕方
- 背ラベルを目で追い、違う住所の本が混じっていないかを見る作業
- 見た目も美しくするために整える作業
このふたつの作業について説明していきますね。
違う住所の本が混じっていないか
違う住所が混じっていないかは簡単にわかります。
「913.6 ウ」と書いてあるところが背ラベルなので、
ずらーと並んだ本の背ラベルのカタカナをあいうえお順に並んでいるか見ていくだけです。
間違ったところに入っている本がいたら一度返却して、いるべき場所に戻してあげます。
書架整理の第一弾はこれで終了です。

見た目を美しくする
次に見た目を美しくします。
図書館ごとに異なるのですが、サイズの小さい本から大きい本を並べるのが多いです。
もちろん、大きい本から小さい本を並べる図書館もあります。
書架整理の手順で一番最初に、アイウエオ順は綺麗に並べ替えたので、そのアイウエオの中のアに当てはまる本だけ背の順にします。
そして次に、イだけ、ウだけ、と背の順にしていきます。
見た目はちょこちょこギザギザですが、この並べ方が美しいとされています。
また棚がパンパンで窮屈になっていないかも確認します。
図書館の本棚は、本棚から本が取り出しやすように何冊分かゆとりを持って収納しています。
そのゆとりがなくパンパンになっていたら本を次の棚に移動させたり書庫に入れたりして取り出しやすい状態を保ちます。
美しく見せるためにもうひとつ
面揃え(めんぞろえ)(つらぞろえ)と呼ばれる書架整理の方法があります。
本棚の敷板の本の背表紙をそろえて並べることです。
面揃えをすると、一歩引いて本棚を見たときにとっても綺麗に見えるんです。
蔵書点検後や休館日明けの午前中にご来館ください。
とっても綺麗な本棚が見られることと思います。
なぜ書架整理をするのか
そもそもなぜ書架整理をするのか?ですが、
書架整理をすると、
1、本棚がきれいに見える
2、本が探しやすくなる
の2点があります。
1、本棚がきれいに見えるはお伝えした通りなので、次に
2、本が探しやすくなるをご説明します。
本が探しやすくなるというのは図書館員の利点が多いです。
利用者の方から「この本、どこにありますか?」と聞かれた時に
書架整理で本を並べ替えた通りに並んでいるのであれば、聞かれた本の住所のところを探せば良いことになります。
ですから書架整理を常にしておくことは、図書館員のためですがひいては利用者の方の時短に繋がっているとも言えるんです。
もし、図書館員がぼんやり本棚の前に立っていたり座っていたりしたらそれは書架整理で番号を一生懸命目で追っている作業中だったのかもしれません。
OPACとは図書館にある本を簡単に探す機械!!オパックが使えれば図書館の本は何でも探せる
書架整理の仕方と種類をお伝えします
書架整理の仕方をお伝えしました。
何万冊もある図書館の本を把握するために書架整理は大事なお仕事です。
書架整理をすることでだいたいの本のありかを覚え、配架に生かし、レファレンスに生かし、書庫入れにも生かします。
ひとつひとつの図書館での仕事が独立しているということはなく、
ひとつの仕事が全体の仕事につながっています。
中でも書架整理や配架はすべての図書館業務の土台になっているので図書館員には欠かせない仕事です。
最後までお読みくださりありがとうございました。
コメント
書架整理について読ませていただきました。図書館利用がすすむ活動で素晴らしいですね。文章も読みやすくとても良かったです。
排架と私は習ったのですが、いかがでしょうか?つまり、ただ配るのではなく戻るべき場所に並べるからと教わりました。
また、同じ著者のものが並ぶようにはしていないでしょうか?
ちょっと気になったのでコメントさせていただきました。
これからも益々ご活躍ください。
くりとゆず様
コメントありがとうございます。
嬉しいです!!
私が配架という漢字を使っているのはなぜか?というご質問として受けたらせていただくと
私の尊敬する司書の先生に一番初めにそう習ったからというのが大きいです。
排架という漢字を使用する図書館さんもあるのは知っています。
ですので、やはり図書館ごとに大事にしていることが違うのでその図書館ごとにあった漢字を使用することは
素敵なことだなあと思います。
>同じ著者のものが並ぶようにはしていないでしょうか?
こちらに関しても同じような回答になってしまいますが
図書館によると思います。
大まかに著者の名字の上2つの文字をとって並べている館や
著者名はもちろんのこと、その中で本のタイトルからとって完全50音順にしている図書館もあります。
その図書館さんごとに合った排架ができると良いでしょうね♬
くりとゆずさん
ありがうございました。