今回は図書館の本の並べ方をお伝えします。
実は図書館は、本屋さんとはまた違った並べ方をしているので、探しにくいと言われることも多いです^^;
図書館が使っているのは図書館独自の本の並べ方で
1928(昭和3)年に発表された日本十進分類法です。
では、日本十進分類法も交えて図書館での本の並べ方をわかりやすくお伝えします!
図書館の本を並べる基準に使っている日本十進分類法ってなに?
日本十進分類法(Nippon Decimal Classification NDC)は、日本の図書館で使われている図書分類法です。
分類法とは、「この本はこんな話題を扱っているから、何番」といったように、出版された本を番号で分ける方法のことを言います。
日本十進分類法は、森清(もり・きよし)がデューイ十進分類法(DDC)を元に作成し、1929(昭和4)年に間宮商店から刊行されました。
下記の表が分類表です。
図書館の本はこの数字に、本の内容を当てはめて区分けしています。
分類 | |
0 | 総記 |
1 | 哲学 |
2 | 歴史・地理 |
3 | 社会 |
4 | 自然科学 |
5 | 工業 |
6 | 産業 |
7 | 芸術・スポーツ |
8 | 言葉 |
9 | 文学 |
上記の表のように、10の分野に分けられ、
2008年の調査では公共図書館の99%、大学図書館の92%がこの日本十進分類を使用し本を並べています。
この十進分類を使用していない主な図書館は国立国会図書館で、国立国会図書館は国立国会図書館独自の分類表を使い分類しています。
図書館の本を並べやすくするため、日本十進分類法で分類した本の番号を背表紙に書く
図書館に行ったことのある人は一度は目にしたことがあると思われる背表紙。
背表紙が見えるように本棚に並べています。
こんな感じですね。
そして、この背表紙にはその本の住所が書いてあります。
先ほど十進分類法で分けた数字がその本の住所を表しています。
その住所を見て、図書館司書は、その本を元の棚に戻しているんです。
下記の写真では913.6という住所が与えられています。
この一番左の数字が「9」
一番大きなくくりですね。
「9」の棚の中に「913.6」という棚があるのでそこに配架しています。
詳しい背表紙の住所
「背ラベル」はこちらで詳しく解説しています。
図書館に来て本を探すときには、本の背表紙下に貼ってある背ラベルだけわかっていれば大丈夫!図書館に来て本が探せない場合には背ラベルを見よう!背ラベルには本の住所が書かれています。
そしてこの背ラベルの住所が左から右に、数字の小さい順に並びます。
背ラベルはこんな形のものです。
上図の矢印のように、左から右へ
並べていきます。
そして写真のラベルに書いてある【913.6 ウ】も913.6の中で、【あいうえお順】にします。
ア→イ→ウ→
の順番です。
図書館の本を日本十進分類法を利用して並べることで得られるメリット
図書館の本を日本十進分類法を利用して並べることで得られるメリット1
第一に図書館が日本十進分類法を使うことでの利点は
ひとことでいうと、図書館の本が探しやすくなること。
なんです。
実は十進分類法ができる19世紀後半まではこの分類法を使ってはいませんでした。
では、どうしていたかというと、 「この本は音楽の本」「この本は小説」といったようにテーマをつけることだけはしていました。 しかし、実際に図書館の棚に並べるときには、本の大きさや本を図書館に受け入れた日付の順番よって並べていたそうです。 このような並べ方はスペースを有効に活用できるというメリットはありますが実際図書館にみなさんがきて本を探すとなると大変ではありませんか?
ですから、十進分類法ができたのです。
「探しにくい、探しにくい」と言われる図書館の本の並べ方ですが、19世紀後半よりは探しやすくなっています。ですが探しにくいといった声が多くなってきたのであればより利用者の方が探しやすいよう改善していくことはもちろん必要です。
図書館の本を日本十進分類法を利用して並べることで得られるメリット2
分類記号と分類番号を使い図書館では本を配架(図書館の本をその住所の棚に戻すこと)をしています。
図書館用語を徹底解析!「ショカ」や「ショゾウ」ってなんだろう
日本十進分類法は大まかに10つの分類に分かれていますので、それだけ覚えるだけで、ご自身が図書館で探す本の分類にたどり着けます。
その探している本だけではなく、分類が一緒なら似た内容の本も近くに配架されていますので、興味のある本も一緒に見つけられちゃうのがこの分類法の良い点のひとつです。
そういったご自身が興味のある本を直接手にとって本の中を見ていただけるのも図書館の本が十進分類法でならんでいるからこその魅力なんです。
0から始まり、左から右に並べていますので、順を追って眺めていくのも楽しめます。これをブラウジングと専門用語では呼んでいます。
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図書館独自の本の配列について述べましたが、いかがだったでしょうか?
これで図書館の配列がなんとなくでもわかり、探しやすくなっていただければなあと思います。
図書館の規模や分館のあるなしによっても多種多様の配列なので遊びに行った先の図書館で基本と違うところを発見したり、ご自身がよく行く図書館の配列を覚え迷わず本を探し出せるようになっても面白いと思います。
無料で利用できますので使い倒していただければありがたいです。
お読みくださりありがとうございました。