今日は本の背表紙のタイトルが消えてしまった時の対処法についてお話しします。
図書館やご自身が小さい頃に通っていた小学校で窓際に置いてある本が白くなっているのを見たことはありませんか?
あの原因って日焼けなんです!!
人も日に当たっていると日に焼けるように本も日に焼けちゃうんです(T . T)
本が日に焼けないためにたくさんの対策をしてはいますが焼けてしまう本があるのも事実です。
本の大敵!本の日焼けとは
実は本も日焼けをしてしまうんです。
本の表紙や背表紙が日焼けをするとインクが分解されて色褪せてしまいます。
特に、黄色やオレンジ、赤、ピンクなどは色が日に焼けて見えなくなってしまいがちです。
本の日焼けは「光」と「空気」
本が日焼けしてしまう原因は主に「光」と「空気」です。
太陽や蛍光灯の光に含まれる「紫外線」が、
紙に含まれる成分と化学反応を起こし、長い時間をかけて紙を茶色く変色させてしまいます。
↑こんな感じで日に焼けている本を1度は見たことがあるかと思います。
また、紙は空気に触れることによって酸化してしまうので、こちらは表紙や背表紙よりも本体の黄ばみを深刻化させます。
図書館にある本はカバーをかけていますので、表紙や背表紙は紫外線からは幾分守られますが、古本屋さんや本屋さんにある古い本は表紙も背表紙も黄ばんでしまっているものが多いように感じます。
もちろん図書館の本も本体の黄ばみはどうしても起こってしまいます。
特に、上の絵の本の本体の上の部分「天」や「小口」、「地」といった場所は黄ばみやすいです。
これが日の当たる窓に近い部分に配架されていると、
背表紙が焼けてタイトルが読めない本が出てきてしまいます。
ですが、あまりに暗すぎる図書館は利用者さんがきてくれません。
そのためあまりに暗すぎる昔ながらの図書館は近年減ってきて、逆に全面窓だったりLEDが豊富にあったり、他の施設との複合施設だったりする明るい図書館が増えてきています。
その反面、本には優しくない図書館が増えてきているとも言えますね。
もちろん、光を遮断し重要な本は書庫へ収納しているので開架に並んでいる本より黄ばみや劣化は少なく済みます。
家庭でできる日焼け防止対策
本の日焼けを防ぐためには、本を光に当てないようにすることが重要です。
お家でできる対策としては下記のようなものがあります。
・本棚を光が直接当たらない場所へ移動する
・本棚に扉を付ける
・本にブックカバーを付ける
本棚を光が直接当たらない場所へ移動する
一番簡単な方法として、本棚を移動するというのがあります。
あ、
口で言ったら簡単でしたが、本棚ごと移動できる重さでない場合、本棚の本を一度出してもう一度しまうという作業がありますので、
軽い本棚でしたらこれが一番の方法です。
図書館では本棚が耐震性の問題により床から動かないようになっています。
ですので図書館で日に焼けないようにするには窓のブラインドを開けないとする方針を立てる図書館が多いですが、そうするとどうしても図書館の中が暗くなってしまい、防犯上も危険度が増すので悩ましいところです。
透明ブックカバーを貼る
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図書館では1冊1冊に上のようなブックカバーでコーティングしています。
このブックカバーは防カビ、UVカット作用があるのでご家庭の本よりは日焼けが軽減されているように感じます。
図書館でいう書庫のかわりに
普段読まないけど捨てられない、とっておきたい大事な本は本棚ではなく、段ボールなどへ入れて暗くて湿度の低い冷暗所で保存するのもグッド。
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この時に段ボールの下に敷くタイプの乾燥剤などを入れておくと湿気による変質も避けられるので、湿気で紙がうねっちゃったということも出ないはず!!
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図書館の書庫の温度は16~22℃程度、湿度は40~60%にしてあります。
多少のズレやそもそのできていない図書館もあるかもしれませんが(予算の問題と、機械の老朽化等(T . T))
みなさんのおうちでも最適湿度、温度に近づけるよう除湿機を置く等してみてくださいね!!
本棚に扉を付ける
実は本棚に扉をつける方が本棚を移動するより簡単なのでは?と思い始めた司書です。
図書館では難しいですがおうちで本を日焼けから守る場合にはこの方法の方が簡単なのでは??
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アイリスオーヤマ カラーボックス 木製扉 縦置き専用 幅38.4×奥行3.4×高さ26.9cm ナチュラル CXD-38W |
こんな感じの扉が購入できますので、扉いいかも。
ですが、DIYはちょっぴりハードルが高い!!と思われた方も多いはず!
突っ張り棒と布で簡単カーテンが良いなあと感じました。
突っ張り棒は100円均一さんで購入し、布はお気に入りの布を探して切りっぱなしで大丈夫!!
お部屋も本がそのまま見えているよりおしゃれになりますね!!
本にブックカバーを付ける
本屋さんで本を買うとき
「カバーはおつけいたしますか?」と聞かれます。
そのとき迷わず
「はい!!」
とお答えください!!
そうしたらカバーをつけてくれます!!
本棚に並べた時タイトルがわからないのが少々デメリットではありますが、
本を日に焼けさせないというのが目的なのでそこは目をつぶってください。
また、「ネットで本を買っちゃったからカバーをかけてもらえない」なんて声がありました。
そんなときは、
上記でご紹介したブックカバー透明をご自身で貼っていただくと良いかと思います。
「1冊、2冊しかブックカバーの付いていない本がないからブックカバー透明を買うのがもったいないよ」
という方は、カレンダーやお菓子をもらった時の包装紙を取っておいてブックカバーとしてお使いいただくのをオススメしています。
日焼けをしてしまった本復活方法!!
長期間たくさんの本を保存しなくてはいけないのが図書館なので
万が一日に焼けてしまった本のリカバリーも心得ております。
本が日に焼けてしまった時の復活方法をご紹介します!
紙やすりで優しく削る
本の上部・下部、側面は紙やすりで優しくこすると黄ばみがとれてキレイになります。
これは古本屋さんなどでは専用の研磨機を使って行われている方法だそうです。
図書館でも専用の研磨機あればいいのにと思います。
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紙やすりを使って、手を削らないように紙の向いている方向に向かって垂直に優しく削ります。
そうすると黄ばんでいる場所だけこそげ落とせ、削り過ぎちゃったという失敗がありません。
ラベルプリンターで背文字を打つ
背表紙に書いてある本のタイトルや作家さんの名前のことを「背文字」と呼びます。
図書館では、本の背文字が日焼けによって色あせて見えなくなってしまった背表紙にラベルプリンターでタイトルをつけています。
ラベルプリンターの調子が悪い時はパソコンで紙に印刷してブックカバー透明で貼り付けます。
このどちらの対処法でもお洒落な文字は再現できないので、本当に応急処置といった具合です。
「カバー背表紙にやけ」といった表示
図書館で借りた本に「カバー背表紙にやけ」といった表示があったら、
背文字が日に焼けて見えにくくなっていますよというお知らせです。

本の表紙のタイトルが消えてしまった!
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