図書館に本を借りに来てくださる小さいお子さんを連れたお母さんに
「面白い本、なにかないですかー?」と聞かれ、図書館オススメの本を紹介することが楽しくて仕方ない図書館員です。
実は本を紹介することも図書館司書にとって、専門的で重要で大切な仕事のひとつなんです。
その本を紹介することは決して、大人だけに限らず、小さいお子さんにも心を込めて行います。
オススメの本を紹介した後の嬉しそうなお顔は私にとってとても大切な栄養になっています。
小さい自分の子どもに読んであげたいお母さんや、もう自分一人で読めるお子さん。老若男女たくさんの方が本を読み、面白い本を探しています。
今回は、わたしたち図書館司書がお子さんに本を提供する場合の注意点を書かせていただきますので、自分のお子さんに本を探してあげる際の参考にしてくださればなあと思います。
小学生への本の提供
小学生にはまず、お話を聞かせることが大切だと言われています。
それによって、お話を聞く耳を育て、自然に頭の中で本の中の登場人物たちが自由に動き回る経験をします。
物語をイメージできるということは、調べ学習等で調べて読んだ結果を自分に引き寄せて考える想像力や新しいことを考え出す創造力にもつながってくるため重要な能力です。
そのため、小学生には、私たち司書が語ってお話に引き込まれる経験をしてもらうことに重点を置いています。
ですから、「読み聞かせ会」等を開催して耳を鍛え、お話に引き込まれるという経験の場を拡げているというわけなんです。
中学生への本の提供
「個性に合わせた本をすすめる」ということが大切です。
中学生になると、個性が生まれ、自分に合った本を求めるようになります。
ここで私たち司書なり親御さんなりが
「こんな本いいよー」「この本面白いよー」「読んでみたら?」
といった声かけをしないでいると、
何を読んだらいいのかわからないから読まない、
何かを読みたいけど何を読んだらいいかわからないから読まなくなってしまったという子も多くいます。
中学生は幼い頃から続けてきた読書をこれからも続けられるかの分かれ道なので、読書離れを起こさないように日々心がけています。
「何の本を読んだらいいんだろ?」「読みたい本がわからない。」そんな悩みを図書館がズバッと解決!
高校生への本の提供
高校生は「視野を広げる」ことが課題になってきます。
高校生活が終われば、社会に出る子もいます。
学校という狭い社会で生きてきた子どもたちが社会という荒波に出て行く前の大切な時期です。
そんな子達に視野を広げる本や他人の価値観を認めること、そんな人が多くいること。そのようなことがわかる本の提供をしています。
高校生以上の生徒が本を読まないのは仕方ない。そこから読書をする習慣の手っ取り早い身につけ方
図書館員は本のプロ
上記のように学齢によって、それぞれ興味のある分野が異なってきます。
そのようなことを知った上で、その子に合った本を渡します。
しかし、「その子」のことを知る前に、一般的なその年代のことを知っておく必要があるんです。
ですから、その年代の子どもたちの興味のあること、その年代の子たちに適した本を自分で読んでおくこと、が重要になってきます。
まずは司書自身が「読書のプロ」になっておくことが大切なんです。
まとめ
学齢期に合わせた本の提供の仕方はいかがでしたでしょうか?
大まかに年齢によって興味の出てくるものが変わってきます。電車だったり、アンパンマンだったりその年代によって変わってきますよね?
それらを大まかにでも把握しておくことはとても大切になってきます。
また、今、子ども達の中でなにが流行っているのかに常にアンテナを立てておくことも大切です。アンテナに関しては、常に何が流行っているのかを収集しておくことは年齢に関係なく行った方が良いでしょう。
子供たちの流行っているものを知って、子どもたちの気持ちを知っておけば、子どもと話を合わせることができれば、本を借りにきてくれたときに、「レファレンス・インタビュー」がしやすくなるからです。
「この人、わかってくれる」と思ってもらい話しやすい雰囲気で、読みたいと思っている本を教えてもらいましょうね。
最後までお読みくださりありがとうございました。