今回は「ISBN(アイエスビーエヌ)」についてです。
ISBNって言葉自体初めて聞いた方も多いかもしれませんね。
図書館では図書館でのバーコード番号の他に、ISBNも頻繁に使っています。
では、ISBNとは!
ISBNとは
ISBNって英語の頭文字をとった言葉なんです。
ATMやETCなどと一緒のくくりです。
ISBNの正式名称は、
International Standard Book Number
といいまして、日本語に直すと、
国際標準図書番号
となります。

そうなんです!
アイエスビーエヌとだけわかっていれば、もちろん覚えなくて大丈夫!!
簡単にいうと、ISBNは書籍を世界共通で特定するための番号なんです。
この番号がわかれば、何の本か必ずわかるよ!!という代物です。
ISBNの桁数が増えたわけ
現在、ISBNは計13桁の番号で構成されています。
しかし、2006年までは計10桁でした。
ISBNの最初の「978」がありませんでした。
ですから、2006年頃の本のISBNを見ると10桁で表記されています。
よかったら確認してみてくださいね♪
なぜ、桁数が増えたかというと、書籍の出版は1日300冊ほどあると言われています。
ですから、単純にISBNが足りなくなっちゃったんです(^_^;)
一度使ったISBNは使いまわしてはいけないので、桁数を増やして出版される本に付与できるようにしたんです。
ISBNの番号の意味
ISBNは現在13桁です。
ISBN978-4-7631-3684-8
画像のISBNは上記の通りです。
では、この画像のISBNの番号を例にとって解説いたしますね!!
978…『接頭記号』
「書籍」を表しています。
「978」と「979」があり、日本は「978」を使用しています。
「979」を使用する時は、今後、出版者記号が枯渇した場合、先頭が変わります。
2009年に世界で初めてフランスのISBNセンターが付与したと報じられました。
4…『国記号』(Group identifier)
書籍を発行する国や地域を表す番号です。
日本は「4」が割り振られています。
「0」「1」はアメリカなどの英語圏
「2」はフランスなどのフランス語圏
「3」はドイツなどのドイツ語圏
国記号は1桁だけではなく、
2桁
「85」ブラジル
「89」韓国
5桁
「99921」カタール
「99935」ハイチなど
もあります。
※ただし、ISBNは常に13桁は変わらないので、国別記号の桁数が増えると、増えた数字分だけ、後の桁数が少なくなります。
7631…『出版者記号』(Publisher identifier)
出版者(社)を表す番号です。
上記資料はサンマーク出版さんのものです。
小学館さんでしたら「09」になります。
ですので出版者記号は、桁数が一定ではありません。
ISBN おまけばなし
日本は国別記号が1桁なので、出版者記号と書名記号は合わせて8桁になりますが、桁数の組み合わせは、出版者によって違います。
出版者記号は、在庫点数や刊行ペースを基準に決められ、出版点数が多い出版者ほど少ない桁数になり、そのあとの書名記号に、より多くの数が割り当てられるようになっています。

出版社記号 | 出版社 |
00 | 岩波書店 |
06 | 講談社 |
10 | 新潮社 |
12 | 中央公論新社 |
もっと詳しく出版社記号について知りたい方は、下記のURLから日本図書コード管理センターさんのサイトでご覧ください。
面白いです。
逆に、出版点数が少なかったり、出版者記号を取得するのが遅かった出版者ほど、3桁、4桁……と桁数が増えていきます。

例えば、出版者記号が7桁の場合(見たことないけど)、書名記号に割り当てられる数字は0~9までの10冊分しかありません。
そのため、出版点数が増えてきて、10冊分を超えた場合は、さらに、もうひとつ別の出版者記号を取得する必要があります。
3684…『書名記号』(Title identifier)
出版者が、自分のところで発行した本1冊(1タイトル)ずつに与えた書籍出版物の固有番号です。
8…『チェックデジット』
ISBNコードに誤りがないかチェックするための番号。
一定の計算法で数値が決まります。
ちなみに
ISBNをよく見てみると、「X」というチェックデジットが振られている場合があります。
「X」はエックスではなくローマ数字の「10(テン)」を表しています。
チェックデジットの計算方法
「チェックデジットの計算方法は複雑だから覚えなくていいよ」
「チェックデジットの計算方法は複雑だから知らなくていいよ」
なんて言われて図書館界にいた私。
ISBNの記事を書いて、改めてISBNのチェックデジットが気になってきました笑
ISBN10桁のチェックデジット計算方法
「モジュラス11 ウェイト10-2」で計算しています。
例えば、「4-566-01411-8」というISBNのチェックデジットを出したい場合。
先頭の4から順番に10、9、8…を掛けたものの和を出します。
4×10+5×9+6×8+6×7+0×6+1×5+4×4+1×3+1×2=201
201が和ですね。
和を11で割って出た余りを11から引く
201÷11=18…3
11-3=8
「4-566-01411-8」の本のチェックデジットは「8」ということになりますね。
答えが11の場合のチェックデジットは「0」
10の場合は「x」になります。
ISBN13桁のチェックデジット計算方法
「モジュラス10 ウェイト3・1(モジュラス10 ウェイト3)」を用いて計算します。
「978-4-7631-3684-8」を例にとって計算してみましょう。
一番左側の桁から順に1、3、1、3…を掛けてそれらの和を取ります。
9×1+7×3+8×1+4×3+7×1+6×3+3×1+1×3+3×1+6×3+8×1+4×3=122
和を10で割って出た余りを10から引きます。
122÷10=12…2
10-2=8
ですので、「978-4-7631-3684-8」この本のチェックデジットは「8」ということになります。
ISBNがあると何が便利かって
利用者さんが図書館にいらして、副題や出版年がたくさんある本だった場合、その本を特定するのが難しい場面に出くわします。
そういったピンチの時は、ISBNがわかっていれば瞬間的に探すことが可能です。
1つのタイトルに1つのISBNですから、ピンポイントの検索が可能になってきます。
検索を瞬時に行えるバーコードリーダー
ISBNは基本、本の右上か左上に印刷されています。
絵本などは、裏表紙であっても絵が見えなくなってしまうため、必要がなくなったら剥がせるシール状になっているものもあります。
ISBNはバーコードになっているので、バーコードリーダーで読み込むと、その本がわかります。
Amazon先生でもISBNを検索窓に打ち込むと、該当の本を見つけてくれます。
おうちには、バーコードリーダーはいらないと思いますが、あると便利笑
13桁の数字を打ち込む作業は割とストレスですからね。。
ご自宅近くの図書館に該当の本がない場合、都道府県内の図書館から本を借りることができます。
図書館にどうしても読みたい本が棚に置いていない時、その本が読めるようになっちゃう魔法の方法2選
その検索を使うとき、各図書館によって書誌の入力が異なる場合があります。
それをひとつひとつ見ていては時間ばかりかかってしまうので、ISBNとバーコードリーダーがあれば、ものの数十秒で検索できちゃうんです!!
ピッとバーコードリーダーでISBNを読み込めば検索してくれますからね!!
ISBNとは?ISBNコードがあるから本の流通ができる! まとめ
ISBNは目立ちはしませんが良い仕事をしています。
ISBNがあるだけで、コレ!と探している本が見つかります。
今度図書館に行った際やお手持ちの本のISBNも確認してみてくださいね。
最後までお読みくださりありがとうございました!!