第165回(2021年上半期)の芥川賞と直木賞の受賞者が7月14日決定いたしました!!

芥川賞受賞作がふたつ
直木賞受賞作もふたつ!
この快挙はなんと11年ぶりだそう!!
審査員さんも大変だったでしょうね(^_^;)
ではでは、芥川賞受賞作と直木賞受賞作、計4作品の解説をしていきます!!
前回の結果はこちら
第164回芥川賞・直木賞芥川賞・直木賞発表!推し、燃ゆと心淋し川に決定!
芥川賞受賞作
石沢麻依
「貝に続く場所にて」(群像6月号)
李琴峰(り・ことみ)
「彼岸花が咲く島」(文学界3月号)
が芥川賞を受賞しました!!
芥川賞の授賞は年2回で、
上半期(前年12月から5月までに発表されたもの)の選考会は7月中旬に行われ、
受賞作は「文藝春秋」9月号に全文が掲載されます。
下半期(6月から11月までに発表されたもの)の選考会は翌年1月中旬に行われ、
「文藝春秋」3月号に全文が掲載されます。
第165回の芥川賞選考委員は、
小川洋子・奥泉光・川上弘美・島田雅彦・平野啓一郎・堀江敏幸・松浦寿輝・山田詠美・吉田修一(敬称略)
の9人が担っています。
芥川賞と直木賞の違いを3つにまとめてみました!芥川賞と直木賞の違いって一体なに?作ったのは誰?できたのはいつ?
彼岸花(ひがんばな)が咲く島
李琴峰
文學界
彼岸花の咲き乱れる砂浜に倒れ、記憶を失っていた少女は、海の向こうから来たので宇実と名付けられた。ノロに憧れる島の少女・游娜と、“女語”を習得している少年・拓慈。そして宇実は、この島の深い歴史に導かれていく。
貝に続く場所にて
石沢麻依
群像
第64回群像新人文学賞受賞
コロナ禍が影を落とす異国の街に、9年前の光景が重なり合う。ドイツの学術都市に暮らす私の元に、震災で行方不明になったはずの友人が現れる。人と場所の記憶に向かい合い、静謐な祈りを込めて描く鎮魂の物語。
貝に続く場所にて 書評(群像新人文学賞)
記憶や内面、歴史や時間、ここと別のところなど、何層にも重なり合う世界を、今、この場所として描くことに挑んでいる小説
–柴崎友香氏
人文的教養溢れる大人の傑作
曖昧な記憶を磨き上げ、それを丹念なコトバのオブジェに加工するという独自の祈りの手法を開発した–島田雅彦氏
犠牲者ではない語り手を用意して、生者でも死者でもない「行方不明者」に焦点を絞った点で、すばらしい。清潔感がある。
–古川日出男氏
貝に続く場所にて 電子書籍版

結局、紙の本と電子書籍どっちがいいの?メリット、デメリットを徹底比較!
直木賞受賞作
以下で直木賞受賞作をご紹介いたします。
直木賞は
佐藤究
「テスカトリポカ」(KADOKAWA)
沢田瞳子さん
「星落ちて、なお」(文芸春秋)
が受賞しました。
星落ちて、なお
澤田瞳子
文藝春秋
鬼才・河鍋暁斎を父に持った娘・暁翠の数奇な人生とはーー。
父の影に翻弄され、激動の時代を生き抜いた女絵師の一代記。
不世出の絵師、河鍋暁斎が死んだ。残された娘のとよ(暁翠)に対し、腹違いの兄・周三郎は事あるごとに難癖をつけてくる。早くから養子に出されたことを逆恨みしているのかもしれない。
暁斎の死によって、これまで河鍋家の中で辛うじて保たれていた均衡が崩れた。兄はもとより、弟の記六は根無し草のような生活にどっぷりつかり頼りなく、妹のきくは病弱で長くは生きられそうもない。
河鍋一門の行末はとよの双肩にかかっっているのだったーー。
テスカトリポカ
佐藤究
KADOKAWA
第34回山本周五郎賞受賞
メキシコのカルテルに君臨した麻薬密売人のバルミロ・カサソラは、対立組織との抗争の果てにメキシコから逃走し、潜伏先のジャカルタで日本人の臓器ブローカーと出会った。二人は新たな臓器ビジネスを実現させるため日本へと向かう。川崎に生まれ育った天涯孤独の少年・土方コシモはバルミロと出会い、その才能を見出され、知らぬ間に彼らの犯罪に巻きこまれていくーー。海を越えて交錯する運命の背後に、滅亡した王国〈アステカ〉の恐るべき神の影がちらつく。人間は暴力から逃れられるのか。心臓密売人の恐怖がやってくる。誰も見たことのない、圧倒的な悪夢と祝祭が、幕を開ける。
ちなみに山本周五郎賞と直木賞のダブル受賞は、2004年の熊谷達也「邂逅の森」以来、17年ぶり2度目の快挙です。
11年前のダブル受賞の作品は第144回のとき
第144回芥川賞
苦役列車
西村賢太
劣等感とやり場のない怒りを溜め、埠頭の冷凍倉庫で日雇い仕事を続ける北町貫多、19歳。将来への希望もなく、厄介な自意識を抱えて生きる日々を、苦役の従事と見立てた貫多の明日はーー。現代文学に私小説が逆襲を遂げた、第144回芥川賞受賞作。後年私小説家となった貫多の、無名作家たる諦観と八方破れの覚悟を描いた「落ちぶれて袖に涙のふりかかる」を併録。解説・石原慎太郎。
🖋芥川賞の受賞会見で「そろそろ風俗に行こうかなと思っていた」との発言がおおいに話題となり今でも新鮮に覚えている作家さんです。
きことわ
朝吹真理子
貴子(きこ)と永遠子(とわこ)。葉山の別荘で、同じ時間を過ごしたふたりの少女。最後に会ったのは、夏だった……。25年後、別荘の解体をきっかけに、ふたりは再会する。ときにかみ合い、ときに食い違う、思い出。境がゆらぐ現在、過去、夢。記憶は縺れ、時間は混ざり、言葉は解けていくーー。やわらかな文章で紡がれる、曖昧で、しかし強かな世界のかたち。
第144直木賞
月と蟹
道尾秀介
海辺の町、小学生の慎一と春也はヤドカリを神様に見立てた願い事遊びを考え出す。無邪気な儀式ごっこはいつしか切実な祈りに変わり、母のない少女・鳴海を加えた三人の関係も揺らいでゆく。「大人になるのって、ほんと難しいよね」-誰もが通る“子供時代の終わり”が鮮やかに胸に蘇る
漂砂のうたう
木内昇
御一新から10年。武士という身分を失い、根津遊廓の美仙楼で客引きとなった定九郎。自分の行く先が見えず、空虚の中、日々をやり過ごす。苦界に身をおきながら、凛とした佇まいを崩さない人気花魁、小野菊。美仙楼を命がけで守る切れ者の龍造。噺家の弟子という、神出鬼没の謎の男ポン太。変わりゆく時代に翻弄されながらそれぞれの「自由」を追い求める男と女の人間模様。
第165回(2021年上半期)芥川賞は同時受賞でふたり!直木賞受賞作もふたり!!11年ぶりのダブル受賞!まとめ
芥川賞もおふたり、直木賞もおふたりという稀有な出来事が11年ぶりに起きました。
その上で、山本周五郎賞と直木賞のダブル受賞も17年ぶりに起こっています。
今年は面白い作品が多いようです。
みなさん、どれを読まれますか?
最後までお読みいただきありがとうございます。