今回は芥川賞と直木賞の違い3つについて記事にさせていただきました。
芥川賞と直木賞って名前は割とよく聞くけど、一体何が違うかご存知でしょうか?
芥川賞と直木賞の名前と「ちょっとしたこんな感じで違うのかなー」ということを具体的に違いを3つに分けてみました。
芥川賞と直木賞の違いがなんとなくでも感じてくださればいいな。
芥川賞と直木賞の違いは主に3つ
芥川賞と直木賞の違い1 選考対象
芥川賞は、純文学作品
直木賞は、大衆小説作品
読みにくいと感じていた芥川賞は実は、純文学でした。
純文学ってよくやっぱりわからないのですが、そのわからないという感じが純文学なんです。
私のような一般ピーポーにはわからない芸術性を読み解くことが純文学。
明治時代の作家北村透谷さんの評論『人生に相渉るとは何の謂ぞ』にて、学問のための文章でなく美的形成に重点を置いた文学作品を純文学とすると初めて定義されました。
一方、直木賞は大衆小説なので今流行っているものや恋愛やらわたしたちが一般的に「おもしろいなあ」と感じるものが題材になっている小説です。
芥川賞と直木賞の違い2 受賞作家の違い
芥川賞は、無名あるいは新人作家が対象となり、若手作家が受賞することが多い
直木賞も当初は、無名あるいは新進作家の大衆文学が対象となっていましたが、現在は、中堅作家の作品も対象。
芥川賞にノミネートされる作家さんのお名前は存じ上げないことが多いのですが、直木賞にノミネートされる作家さんは大御所と呼ばれるような方が多いと感じていました。

芥川賞と直木賞の違い3 作品の長さ
芥川賞は、中編作品
直木賞は、中編作品から長編作品まで
芥川賞は読みにくいけど、すぐに読み終わるイメージがありました。
なるほど!

芥川賞にノミネートされた作品の他に、短編で違う作品も1冊の本に収録されている場合もありますので、一緒に楽しんでみてくださいね。
2019年1月16日(水)、第160回の芥川・直木両受賞作が決定しました。
受賞者は以下のお三方でした。
上田岳弘さん
町屋良平さん

芥川賞と直木賞の違い 芥川賞の芥川は芥川龍之介
正式名称は『芥川龍之介賞』
人間失格
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10年前くらいに上映された映画なのですが、生田斗真くんが絶対的に格好良かったです。
ですが、よくお話はわかりませんでした^^;
そして最近ではまた小栗旬くんが主演で映画になっていましたね。
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芥川賞と直木賞の違い 直木賞の直木は直木三十五
正式名称は『直木三十五賞』
ちなみに、
直木三十五さんはペンネームであり、本名は植村宋一さん。
苗字の「植」 という漢字を編と作りで分解し、『直木』 とし、
三十五というのは当時の年齢からとっています。
南国太平記
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南国太平記2冊をくっつけておくと表紙の絵が繋がります。
芥川賞と直木賞を作ったのは菊池寛
昭和10(1935)年、芥川賞直木賞共々、作ったのは同一人物。
当時の文藝春秋の社長『菊池寛(きくち かん)』。
菊池寛(きくち かん)とは、
1888年(明治21年)12月26日ー1948年(昭和23年)3月6日
職業は、小説家、劇作家、ジャーナリスト、実業家
大正13(1924)年に私費で雑誌文藝春秋を創刊して以来、芥川龍之介は毎号巻頭作品を掲載し、直木三十五は文壇ゴシップを寄せるなどして、文藝春秋の発展に大きく貢献したことから、二人の名前の賞ができたのではないかと言われています。
昭和10(1935)年、賞を創設した時すでに二人は他界した後でした。
天国で自分の名前の賞ができたことを喜んでいるでしょう。
芥川賞直木賞の賞金は100万円!!
芥川賞直木賞共々、正賞懐中時計と副賞100万円
正賞と副賞が反対のように感じられますが、これで正解なのです。
芥川賞・直木賞が創設された当時、作家は貧しく、暮らしていくのもやっとでした。そんな時代、「懐中時計」は質に入れやすいものだったようで、正賞に選ばれました。
また、「正賞には記念に残るものを」という選考委員からの声もあったようで賞品が贈られるようになった経緯もあるようです。
現在の作家さんとしても、当時から続くこの懐中時計にロマンを感じるのでしょうね。
ちなみに副賞の金額が100万円になったのは、第100回から。
100回記念から100万円。
トンチが効いていますね。
ちなみに第100回のときの芥川賞受賞者南木佳士さんの「ダイヤモンドダスト」
昭和63年/1988年下半期
平成1年/1989年1月12日決定発表/『文藝春秋』平成1年/1989年3月号選評掲載
李良枝 由熙
第100回目 直木賞
熟れてゆく夏 藤堂志津子
年間2回ある芥川賞直木賞の候補作の上・下半期の境目はいつ?
候補になる作品が出版される上半期・下半期の境目は、
- 上半期:前年12月から5月までに刊行された雑誌・書籍
- 下半期:今年の6月から11月までに刊行された雑誌・書籍
となっています。
この記事を書いた時期によると、
上:2018年12月から2019年5月まで
下:2019年6月から2019年11月まで
ということですね。
受賞作品は「文藝春秋」と「オール読物」で読めます
芥川賞の受賞作は、「文藝春秋」に全文が掲載されます。
直木賞の受賞作は「オール読物」に一部が掲載されます。
※いずれも上半期は9月号、下半期は3月号に掲載されます。また、受賞発表号には選考委員による選評も掲載されます。
芥川賞・直木賞に応募するには?
芥川賞も直木賞も公募の賞ではないんです。
しかし、芥川賞・直木賞は、公益財団法人 日本文学振興会に作品を送るタイプの賞ではなく、芥川賞は雑誌(同人雑誌を含む)に掲載されている作品、直木賞は書籍として出版されている作品を選考委員が選ぶ形をとっています。
芥川賞と直木賞の違いは主に3つ。芥川賞と直木賞の違いって一体なに?作ったのは誰?できたのはいつ? まとめ
有名なふたつの賞でしたが、何が違うのかは知らずに過ごしていました。
みなさんはご存知でしたでしょうか??
このふたつの賞の違いを知れば作品の違いもわかり、より一層受賞作や候補作を深く読み込めるのではないでしょうか?
素敵な読書ライフをお過ごしくださいませ。
最後までお読みくださりありがとうございました。