今回の記事は第160回芥川賞受賞作品1R1分34秒のあらすじです!!
なんと!第160回芥川賞受賞作品は2作品!!
上田岳弘さん「ニムロッド」
ともう1作が今回ご紹介する町屋良平さんの「1R1分34秒」です。
平成最後の第160回芥川賞受賞者
町屋良平(まちや りょうすけ)『1R1分34秒』
![]() |
\ご受賞おめでとうございます!!/

もうひとつの第160回芥川賞受賞作はこちら
上田岳弘(うえだ たけひろ)『ニムロッド』
![]() |
仮想通貨をネット空間で「採掘」する僕・中本哲史。
中絶と離婚のトラウマを抱えた外資系証券会社勤務の恋人・田久保紀子。
小説家への夢に挫折した同僚・ニムロッドこと荷室仁。……
やがて僕たちは、個であることをやめ、全能になって世界に溶ける。「すべては取り換え可能であった」という答えを残して。 ……
詳細なあらすじはこちらから
「ニムロッド」芥川賞2019第160回芥川賞受賞作 上田岳弘著 ニムロッドのあらすじと見どころを一挙大公開!
それでは、平成最後の芥川賞受賞者の作品。
今回は、町屋良平(まちや りょうすけ)さん『1R1分34秒』のあらすじをはじめます。
1R1分34秒の登場人物は?
ぼく
主人公。
パチンコ屋さんでアルバイトをしている21歳のバンタム級ボクサー。
プロテストに合格し、基本的に素直で純朴、邪気がない青年。
パンチの力はあるものの、技術力がまだ身に付いておらず、試合に敗けることが多いのが玉に瑕。
大きな木が窓をふさいでいる部屋にぼくは住んでおり、大きな木を気に入っています。
ですが、毎日モヤモヤしています。
ウメキチ
主人公の「ぼく」より4歳くらい歳上の6回戦まで終えた現役フライ級のプロボクサー。
ウメキチはジム内でのあだ名です。
最近、「ぼく」のトレーナーに就任しました。
ムエタイで習った首相撲がうまく、その首相撲を「ぼく」に伝授してくれます。
友達
「友達」としか呼ばれない主人公の友達。
iPhoneを使って映画を撮っています。
今は、河原や電車の中などで、「ぼく」のシャドーボクシングや試合前の心構えをドキュメンタリーとして撮影しています。
「ぼく」によると、こどものように楽しそうに映画を追求しています。
女のこ
ジムに友達と体験に来た、パスタ屋でバイトをしていて、肉付きがよくスポーツをやるにはとろい感じの女の子。
「ぼく」のタイプだったので、電話番号を渡してお付き合いが始まります。
しかし、彼女には別に彼氏がいて「「ボーイフレンド」になって。」と言われ、戸惑いながらも、ぼくは関係を続けます。
1R1分34秒 あらすじは?
主人公は新米ボクサーにも関わらず、闘争心があまりなく、試合のたびに引退を考える青年「ぼく」
「ぼく」はボクサーのプロフェッショナル・ライセンスを取得し、そこから先が伸び悩み、なかなか勝てないでいます。
試合前には、対戦相手のSNSをチェックして、夢の中でその対戦相手と友達になって仲良くなり、親近感を膨らませ親友のように思ってしまうタイプです。
ボクシングをやりたいのかやりたくないのか、殺伐とした気持ちで過ごしています。
対戦相手の青志君との試合に負け、次の対戦に向け、減量やスパークリングなどのトレーニングを重ねていました。
ですが、今までのトレーナーに見放され、ウメキチという新しいトレーナーに交替されてしまいます。
ウメキチは、「ぼく」とは正反対の性格で、試合中、クリンチの時に「ムエタイの首相撲の技を使え」と教えてくれたり、「ヘッドギア無しでスパーリング練習しよう!」など、新しい趣向を「ぼく」に親身に指示を出してくれます。
ですが、そんな先輩ウメキチに不信感を抱く「ぼく」です。
そんな「ぼく」には構わず、ウメキチは距離を縮めようとしてきます。
「ぼく」とウメキチは互いに年も近いので、試合が近づいてきて「ぼく」がピリピリしだすと、ウメキチにタメ口で話しかけてしまうような「ぼく」ですが、ウメキチが「ぼく」の指導についてから、「ぼく」は少しずつ変わり始めます。
そんな毎日の中で、ジムでナンパした女のことたまに会ったり、映画を撮っている友達と遊びに行ったりなどという日常と主人公が苦悩する姿を描きながらも、人との出会いによって徐々に成長していく物語です。
さてさて、成長していく「ぼく」ですが、この1R1分34秒のラストは一体どうなっていくのでしょうか?
結末はご自身の目でお確かめくださいませ♪
1R1分34秒 なんの本に載っているの?単行本の発売は?
単行本は2019年1月25日 新潮社より発売
![]() |
単行本より早く読みたい方は、雑誌『新潮』2018年11月号に掲載されています。
![]() |
『1R1分34秒』を書いた、町屋良平(まちや りょうすけ)さんとは
町屋良平さんは、1983年生まれ2019年現在今年の年男(亥年生まれ)。
東京都台東区出身で、埼玉県立越ヶ谷高等学校を卒業しています。
小説家としての活動期間は、2016年からです。
町屋良平 主な作品
青が破れる
2016年
「青が破れる」で第53回文藝賞を受賞しデビュー
第30回三島由紀夫賞候補候補。
![]() |
しき
2018年
「しき」で第159回芥川賞直木賞候補
第40回野間文芸新人賞候補。
![]() |
1R1分34秒
2019年
第160回芥川賞直木賞受賞。
![]() |
なんでおまえはボクシングやってんの?
デビュー戦を初回KOで飾ってから三敗一分。
当たったかもしれないパンチ、
これをしておけば勝てたかもしれない練習。
考えすぎてばかりいる、21歳プロボクサーのぼくは、
自分の弱さに、その人生に厭きていた……。
長年のトレーナーにも見捨てられ、
先輩の現役ボクサーで駆け出しトレーナーの
変わり者、ウメキチとの練習の日々が、
ぼくを、その心身を、世界を変えていく――
という順風満帆な経歴をお持ちの方です。
ご自身も10年のボクシング経験がおありなので、この小説を書けたと語ってらっしゃいます。
読者自身にボクシングのルールなどの知識が少しでもあると、試合の描写は緊迫感と白熱感があり楽しめる内容となっております。
作家さん自身のことを知ることで、親近感もわきますし、どんな観点で小説を書いているのか分かるところも魅力です。
文藝春秋平成31年3月号にて芥川賞全作品掲載中
今回の芥川賞全掲載されています。また、選考内容も載っています。
まとめて読みたい方にはオススメです。
![]() |
芥川賞2019受賞1R1分34秒(いちらうんど いっぷん さんじゅうよんびょう)町屋良平著 あらすじは? まとめ
2019年4月号には、町屋良平さんの新作「ショパンゾンビ・コンテスタント」が新潮に掲載されています。
町屋良平さんの文章が気に入られた方は、こちらもあわせてどうぞ。
![]() |
おれは音楽の、お前は文学のひかりを浴びて、ゾンビになろう――。音大を中退した小説家志望の「ぼく」、同級生は魔法のような音を奏でるピアニストの卵。その彼女の潮里に、ぼくは片想いしている。才能をもつ者ともたない者。それぞれが生身のからだをもって何百年という時間をこえ体現する、古典を現代に生き継ぐことの苦悩と歓び。
お読みくださりありがとうございました。
芥川賞について詳しく知りたい場合は下の記事をどうぞ