今回ご紹介するのは、朝井リョウさんの「何者(なにもの)」です。
この『何者(なにもの)』は2012年11月30日に新潮社から発売になりました。
そして、その年の第148回直木賞を受賞した作品です。
そして新潮社の中に特設サイトも作られました。
「何者」 あらすじ
主人公の二宮拓人は、同じ大学に通う神谷光太郎とルームシェアをしています。
拓人はある日、かつて光太郎の恋人で密かに想いを寄せる田名部瑞月と再会します。
そしてまた別の日、瑞月の友人である小早川里香が、自分と同じアパートの上階に住んでいることを拓人は知ります。
また里香が宮本隆良と同棲しているということも同時に知るのです。
就職活動を控えた拓人・光太郎・瑞月は、里香の家に集まって、一緒にエントリーシートを書いたり、面接対策をしたりするようになっていきます。
何者というお話は、5人がSNSを通して変化していく人間関係や今時の就職活動を経験しながら切磋琢磨していく物語です。
「何者(なにもの)」登場人物
二宮拓人(にのみや たくと)
主人公。
学生サークルで演劇の脚本を作っていたため、観察能力が高く、細かなことに気が付きます。
しかしその演劇の脚本作りも就職活動を機にやめてしまいます。
神谷光太郎(かみや こうたろう)
拓人の友人で、拓人とルームシェアをしている大学5年生。
社会学部。
就職活動前まではバンド活動を熱心にしていました。
性格は明るく、コミュニケーション能力が高いです。
田名部瑞月(たなべみづき)
拓人の片思いの相手で、理香とは留学先で出会いました。
社会学部。
5人の会話の中では聞き役が多いです。
小早川理香(こばやかわ りか)
拓人・光太郎の部屋の上の階に住む大学生。
外国語学部国際教育学科5年生。
隆良とは付き合って三週間ながら同棲している。
就職活動に対する意識がとても高いです(意識高い系)
宮本隆良(みやもと たかよし)
拓人と光太郎の上の部屋に住む大学生。
理香の彼氏。理香と同じ部屋に住んでいるため他3人が部屋に来たときも話に加わる。
就職活動のありように批判的であり、当初は就職活動をしないと言っていたが、のちに4人に隠れて就職活動するようになる。
登場人物は少なく、この5人が主に物語を進めていきます。
著者 朝井リョウってどんな人??
岐阜県垂井町出身。
岐阜県立大垣北高等学校、早稲田大学文化構想学部卒業。
桐島、部活やめるってよ
2009年:『桐島、部活やめるってよ』
第22回小説すばる新人賞を受賞しデビュー
2012年:『桐島、部活やめるってよ』が映画化。
もういちど生まれる
『もういちど生まれる』で第147回直木三十五候補。
何者
2013年:『何者』で第148回直木三十五賞受賞。
直木賞史上初の平成生まれの受賞者であり、男性受賞者としては最年少。
『世界地図の下書き』で、第29回坪田譲治文学賞受賞。
大学在学中に作家デビューしていましたが、卒業後は就職活動を行って会社員となり、2015年まで兼業作家でした。
デビュー作の『桐島、部活やめるってよ』でもう売れっ子作家さんだったのに、会社員になっていたとは、知らなかったです。
一度就職活動をし、会社員になった朝井リョウさんなので、ここでの就職活動の実体験が作品に活きてくる形となっています。
本当に、遠回りに一瞬見えるようなことでも、人生に必要のないことなんてないんだなーと痛感させられますね。
朝井リョウ 「何者(なにもの)」
文庫版はこちら
) |
単行本はこちら
|
映像化もされています。
主演は佐藤健くん
|
『億男(おくおとこ)』川村元気著 高橋一生主演!2018年映画化作品のあらすじは
佐藤健くんは億男にも出演していますね。
第148回直木賞受賞「何者」(2012)新潮社 朝井リョウ著あらすじ まとめ
この「何者」には、わたしたちが学生の時に体験したであろう葛藤や悩みがリアルに描かれています。
タイトルの「何者」には、若者たちが、成長していく上でなりたい「何者」かを
そしていまはまだ「何者」でもない自分たちが何者かになっていく物語なんです。
それぞれの登場人物の就職活動の結果は、本編でご確認くださいませ
お読みくださりありがとうございました。