今回は直木賞受賞作「月の満ち欠け」のあらすじです。
佐藤正午さんというベテランの作家さんがまだ直木賞を取られていなかったことに驚きました。
今回初受賞です。
感想としては、何とも不思議な作品です。
でものめり込んでしまう…
|
新たな代表作の誕生! 20年ぶりの書き下ろし
あたしは、月のように死んで、生まれ変わる──目の前にいる、この七歳の娘が、いまは亡き我が子だというのか? 三人の男と一人の少女の、三十余年におよぶ人生、その過ぎし日々が交錯し、幾重にも織り込まれてゆく。この数奇なる愛の軌跡よ! さまよえる魂の物語は、戦慄と落涙、衝撃のラストへ。
月の満ち欠け 登場人物
-
小山内堅
八戸生まれ
石油元売の中堅どころの企業に就職し、同僚であり、かつ高校の後輩である「藤宮梢」と結婚。ほどなく娘が生まれ、名前を「瑠璃も玻璃も照らせば光る」という格言に基づくいて「瑠璃」と名づける。
瑠璃が7歳をむかえたとき、1週間ほど高熱を出し意識が混濁した後から、子どもが知るはずのない歌を歌うなど、様子がおかしくなります。
その異変を堅に伝えていた梢との会話を瑠璃は廊下の暗がりで聞いていたのでした。
-
三角哲彦
1980年代後半に大手建設会社に就職し、順調にキャリアを重ね本社総務部長の辞令も受けた「エリート」
大学を卒業するのに5年かかっています。
三角は大学二年生のとき、レンタルビデオ店でアルバイトをしていました。あるとき三角が出勤すると、店の前に見知らぬ女性を見つけます。その女性は小山内の娘「瑠璃」の異変の原因にもつながっていくのです。
-
正木竜之介
大学卒業後、大手工務店に採用され、すぐに一級建築士の資格も取った「エリート」
先輩に銀座の喫煙具専門店に連れて行かれた時、将来の伴侶となる「奈良岡」と出会います。
その後交際に発展し、正木と奈良岡は結婚をします。
一見、順風満帆に思われたのですが、途中でふたりの夫婦仲がぎくしゃくしてきてしまいます。
月の満ち欠け あらすじ
小山内堅は、亡くなった娘「瑠璃」の親友で女優の「緑坂ゆい」と彼女の娘「緑坂るり」に東京ステーションホテルで会います。
八戸駅7時17分発のはやぶさ8号に乗車し、10時32分に東京駅に着いた堅が、
東京駅13時20分発のはやぶさ21号に乗って帰路につくまでの午前11時から午後1時までの間に物語は始まり、終わりを迎えます。
ただ、その2時間には30余年に及ぶ「瑠璃」の生まれ変わりの物語が描かれています。
月の満ち欠け 著者佐藤正午とは
佐藤 正午(さとう しょうご)本名:佐藤 謙隆
1955年8月25日生まれ
長崎県佐世保市に生まれ、長崎県立佐世保北高等学校卒業、北海道大学文学部国文科は中退しています。
大学在学中、同郷の作家野呂邦暢の『諫早菖蒲日記』(1977年)を読み、ファンレターに返事をもらったのをきっかけに小説を書き始めました。
永遠の1/2
1983年;『永遠の1/2』(えいえんのにぶんのいち)がすばる文学賞を受賞し作家デビュー。
鳩の撃退法
2015年:『鳩の撃退法』で山田風太郎賞受賞。
月の満ち欠け
2017年:『月の満ち欠け』で第157回直木賞受賞。
佐藤正午 直木賞贈賞式欠席の言い訳が素敵
/
佐世保で誕生祝いをしているわけではありません
\
この直木賞受賞式が1月25日で、62歳のお誕生日だった佐藤さん。
上記のコメントで会場をわかせました。
こんなお茶目な人だったとは!!
一気に親近感がわきました。
そして、佐藤さんは続けます。
作家はこの年齢になると、体のあちこちにガタがくる。
「僕も体力的に不安を抱えており、(東京行きという)慣れない長旅で仕事ができなくなるのでは、元も子もない」と体調面での不安を明かし、今後の抱負については
「もうひと頑張りしたい。ものを書く仕事を続けること、それしか直木賞へのお返しの方法はありません。欠席の“言い訳”は以上です」と締めくくりました。
作家さんというものを書く仕事をしている方の文章は一般的なコメントであっても面白く素敵なんだなあと改めて思いました。
このツンデレ感にドキドキしました❥
第157回直木賞受賞作「月の満ち欠け」(2017)佐藤正午著あらすじ まとめ
最終的に、登場人物としてご紹介した3人の男性が、瑠璃とどう関わってきたのかが、
「緑坂ゆい」の娘「緑坂るり」の口から語られていきます。
瑠璃とは何者なのか、目が離せない展開です。
この作品は、本当に最初から最後までご自身の目で読んでいただき、不思議さを体感していただきたい1冊です。
ここまで1人の男性を思える瑠璃が素敵でもあり、ホラーでもあるような。。
結末がご自身の目でご確認くださいませ
最後までお読みくださりありがとうございました。