今回のお話は現役司書の図書館と本屋さんの使い分けについて語ります。
図書館は無料書店や貸本屋と呼ばれることもありますが、
本を貸すそれだけが役割ではありません。
書店と図書館。
同じ本を扱う場所での使い分けを考えてみましょう。
ふたつの場所のメリットとは?違いとは?
図書館と本屋さんの最大の違いは?
図書館と本屋さんの最大の違いは、
本棚に並んでいる本のラインナップです。
では具体的にどんな風に違うのでしょうか?
以下で詳しくご説明いたします。
本屋さん
- どこになにがあるのかわかりやすい
- 「話題の本」「新刊本」が目立つところに置いてある
- 漫画の山が賑やかに積まれている
- 売れるもの・お客さんが買いたいものが売れる場所に陳列されている
- 発売日やそれ以前に本が棚に置いてある
魅せ方
「平積み」(ヒラヅミ)・・・表紙を上に向けて積み上げる
「面陳列」(メンチンレツ)・・・棚に立てかけて表紙を見せる
このふたつの見せ方のメリットとして、本の表紙が一目でわかるということがあげられます。
魅せ方ひとつで売り上げが変わるそうです。
というわけで本屋さんに私が行くときは、新しい本が欲しい時にいきます。
あとは、図書館で借りた本が思いの外、良くて何度も読み返したい!と思った本を買いに行きます!
図書館
図書館の本は売れ行きや出版年に関係なく並んでいます。
下記サイトに詳しい図書館の本の並べ方を書いています。
公共図書館に本を集める基準は、思想や政治、宗教等のスタンスに偏りがないよう、最大限注意を払っています。
図書館に並んでいる本は、「よく売れた本」「話題になった本」に限らず、
さまざまな分野からさまざまな著者の本をたくさんの視点から選び、集めています。
一時的な話題に左右されず本を集めているのでその本棚を眺める方は、幅広い知識を得られます。
が、その一方で棚を一目見て、どこに何があるかはよくわからない状態になっています。
図書館では一般流通で買えなくなった本も見られます。
図書館では、常にで述べたように、「よく売れた本」「話題になった本」を率先して購入しているわけではありません。
では、どういう本が置いてあるのか?
図書館には「保存」という、本を先々まで保存しておくという役割も担っています。
保存機能については下記のリンクからどうぞ
保存機能が図書館にはある!保存機能を持っている古いほんや地図など様々な資料が見られる
県内で持っている本が1冊になってしまったら基本、汚くなっても捨てません。
こうやって都道府県内の図書館でも互いに保存を割り振っています。
そのため、絶版になってしまった本もどうにか見られることができるんです!!
そのために重宝する相互貸借制度については下記からどうぞ
図書館間相互貸借は各都道府県内の図書館間で無料で行われる本の貸し借り制度
図書館の方が圧倒的にお休みが多いんじゃないの?
最近の図書館は利用者さんからのご要望にお応えし、夜遅くまで開いているところが増えています。
駅の近くの図書館は夜21時ごろまで開いているところもあります。
また、以前の図書館は大多数が毎週月曜日は必ずお休みしていました。
しかし昨今では、毎日、棚を整頓していても乱れてしまうので月に1度はきちんと本を並べる休館日「館内整理日」以外はお休みしない図書館も増えてきています。
館内整理日はもちろん、正月三が日すらお休みしない図書館も数は少ないですが存在します。
本屋さんと比べると、いつでも開いているという状態ではありませんが、以前と比べると開館時間が伸び、開館日が増えています。
図書館と本屋さんの使い分け。どんな時に本屋さんに行く?図書館に行く? まとめ
新しい本やお手元に置いておきたい本は本屋さんで見ていただいたり買っていただいたりして図書館と本屋さんも使い分けてみてくださいね。
私は、図書館で読みたい本を読んでみて、もう一度読みたくなるだろうなーと思う本や手元に置いておきたい本は本屋さんで購入します。
また、好きな国の特集や好きな画家の特集を組んでいる雑誌はすぐさま買ってしまいます。
雑誌に関しては図書館で予約しても、家でじっくり読めるようになるのは1ヶ月以上先になってしまうのでそうしています。
本屋さんと図書館をうまく使い分け、ご自身の知的欲求を満たしてくださいね。
お読みくださりありがとうございました。