今回ご紹介させていただくのは、ピエール・ルメートル著「悲しみのイレーヌ」です。
以前、ご紹介させていただいた「その女アレックス」。
実は、ヴェルーヴェン警部のデビュー作第2部でした。
第1部が今回、ご紹介させていただく「悲しみのイレーヌ」です。
異様な手口で惨殺された二人の女。カミーユ・ヴェルーヴェン警部は部下たちと捜査を開始するが、やがて第二の事件が発生。カミーユは事件の恐るべき共通点を発見する……。
出版社の方が「その女アレックス」のほうから発売した方が「読者さんへのインパクトがある!」と、第2部にも関わらず先に出版されました。
その結果、その女アレックスはみごと、本屋大賞を受賞しました。
さすがですね!
結果、周囲の反対を押し切って第2部から出版したことにより、大成功を収めたわけですね。
本屋大賞は書店員さんの投票だけで決まる珍しい賞!投票方式や過去の受賞者って?
その他、国内では、週刊文春ミステリーベスト10や2015年海外部門1位を受賞し、海外でもコニャック・ミステリ大賞など4つのミステリ賞を受賞しました。
「その女アレックス」のあらすじは下記からどうぞ。
「その女アレックス」ピエール・ルメートル著あらすじ 第4回本屋大賞翻訳部門(2015) 苦手な翻訳本がスラスラ読めちゃう翻訳本嫌いの方にオススメ「その女アレックス」あらすじは
第3部、最終巻は
『傷だらけのカミーユ』(2016)ピエール・ルメートル著「その女アレックス」ヴェルーヴェン警部シリーズ3部作の最終作「傷だらけのカミーユ」あらすじ
そんな、話題作の第1部「悲しみのイレーヌ」は一体どんなお話なのでしょうか?
「悲しみのイレーヌ」あらすじ
ピエール・ルメートル著
文藝春秋
悲しみのイレーヌ 登場人物は
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悲しみのイレーヌ主人公:カミーユ・ヴェルーヴェン警部
司法警察警部犯罪捜査本部班長。小柄な身長で145cm
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悲しみのイレーヌ カミーユ・ヴェルーヴェン警部の妻:イレーヌ
2人の夫婦仲は良く、お腹には8か月の赤ちゃんがいます。
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悲しみのイレーヌ カミーユ・ヴェルーヴェン警部同僚
以下は主人公ヴェルーヴェン警部の同僚や部下をご紹介します。
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由緒正しい富豪一家に生まれたルイ
:法律、経済、美術史、心理学全てにおいて優秀な成績を修めるほど才能に恵まれています。
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警察史上最悪の守銭奴アルマン
:年齢不詳の見た目をもち、干草の山の中から1本の針を探し出すほどの几帳面な性格の持ち主です。
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放蕩者なマレヴァル
:26歳。アメリカ煙草を手放せない、競馬、酒好きな柔道国内ジュニアチャンピオンだったハンサム。
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上司のル・グエン
:カミーユとは同士の巨漢
悲しみのイレーヌ あらすじ 事件発生
カミーユの背が小さいことの原因は、有名な画家である母の無数の喫煙によるものでした。
カミーユの母は、気が強くタフでしたが、内向的な性格の持ち主でした。
カミーユが16歳の法学部の学生だった5月のある日、(身長は今と同じ145cmしかありませんでした)カミーユの母は癌により亡くなってしまいます。
それから数年、抜け殻のように過ごしていましたが、シワも目立ち、頭も禿げかけてきた40歳になってから、カミーユは、現在の妻イレーヌと出会うことによって、全てが変わりました。
ある日、事件が発生します。
アリス・ヴァンデンボッシュというリンチをされ、腹部を滅多打ちにされた女性を警察は保護します。
事件のあった日の10時過ぎ
カミーユとアルマン、ルグエンがパリ北西部郊外にある再開発地区クルブヴァアのフェリックス=フォール通り17番地に到着します。
そこには、壁に掛けられた女の首がありました。
最初に現場に到着していたルイでさえもビニール袋に口を当てたまま、その場を動けなくなってしまうほど凄まじい有様です。
カミーユ班に来たばかりの部下マルヴァルにいたっては、ほんの少しの時間の滞在でさえ、口を両手で押さえ飛び出していく始末です。
細かく現場を見れば見るほど、残忍で残虐でした。
切り落とされた指、大量の血餅、汚物と血と内臓の臭いが鼻をつきます。
悲しみのイレーヌ 残忍な殺人現場の持ち主を調べる
事件現場であるフェリックス=フォール通りのロフトを改装したのは、
パリ十区にあるSOGEFI社だということが判明します。
その会社の社長コッテは現場になった物件の住所を聞いただけで青ざめてしまいます。
そのわけは、コッテの会社は再開発事業がうまくいかず、経営が崖っぷちであったため、素性のわからないジャン・エナルという会ったこともない男と3ヶ月に賃貸契約を結んでしまっていたことがわかっていたからでした。
この事件はこの日の朝、クルヴォア警察署に事件現場にも残されていた留守番電話の吹き込みメッセージと同じ声からかかってきたことによって発覚しました。
悲しみのイレーヌ 鑑識課長のベルジュレによると
- 被害者は2人
- 年齢は20から30歳の間で髪の色はどちらもブロンド
- 身長165cm、体重50kgで歯並びが良く、バストが大きい
これらのことがふたりの被害者の共通点でした。
そして、片方の女性には左の太ももにイチゴ状血管腫がありました。
鑑識でわかったことは、残念ながら以上でした。
「悲しみのイレーヌ」(2015)その女アレックスの第1部ピエール・ルメートル著悲しみのイレーヌあらすじは まとめ
まだまだ謎が解けず、描写も残虐なものが多いです。
しかし、カミーユ自身が絵を描くこともあって、時折文章に表れる事件を絵画や彫刻に比喩した表現に癒されます。
「悲しみのイレーヌ」が読み終わりましたら、「その女アレックス」も是非一読下さいませ。
「その女アレックス」ピエール・ルメートル著あらすじ 第4回本屋大賞翻訳部門(2015) 苦手な翻訳本がスラスラ読めちゃう翻訳本嫌いの方にオススメ「その女アレックス」あらすじは
お読みくださりありがとうございました。
悲しみのイレーヌ・その女アレックス・傷だらけのカミーユ
3冊が1冊にまとまった、合本が電子書籍で登場していました。
これなら1冊だけ忘れちゃう心配と順番を間違って読んでしまう心配がないので一安心です。