今回ご紹介するあらすじは、文藝春秋から出版されました「熱帯」。
汝にかかわりなきことを語るなかれ――。そんな謎めいた警句から始まる一冊の本『熱帯』。
この本に惹かれ、探し求める作家の森見登美彦氏はある日、奇妙な催し「沈黙読書会」でこの本の秘密を知る女性と出会う。そこで彼女が口にしたセリフ「この本を最後まで読んだ人間はいないんです」、この言葉の真意とは?
秘密を解き明かすべく集結した「学団」メンバーに神出鬼没の古本屋台「暴夜書房」、鍵を握る飴色のカードボックスと「部屋の中の部屋」……
出版された時から読むのが楽しみだったこの作品「熱帯」。
さてさてどんなお話なのでしょうか
熱帯 森見登美彦 あらすじ
「熱帯」主人公:森見登美彦著者本人。
京都での大学生活ののちに、東京で作家と国立国会図書館の職員という二足のわらじ生活をへて、奈良に戻った森見さん。
次回作が全然書けず、ぐだぐだしているなかで、ふと昔読んだ「熱帯」という本のことを思いだします。
その本に書かれていたのは、佐山尚一という男の物語でした。
不思議な世界観に心惹かれ、大切に1ページずつ読もうと思った矢先に、枕元に置いてあったはずの本が突然消えてしまいます。
図書館を探しても書店を探しても見つかりません。
あの小説のつづきはどんなものだったのか、そんなことを考えていると、森見さんは国会図書館時代の友人に「沈黙読書会」という不思議な会に誘われます。
そこで消えてしまい、全然見つからなかった「熱帯」をもつ若い女性と出会います!!
しかし、その女性は森見さんに「熱帯」を読ませてくれません。
そして、こともあろうに「この小説は誰も読み終えることができないのです」とさえ言ってくるのです。
彼女はここで「熱帯」をめぐる「学団」の物語を語りはじめます。
彼女が話してくれたのは、「熱帯」の内容を追う「学団」という団体のことでした。
「熱帯」を探す謎のグループ「楽団」とは??
有楽町の雑居ビルにある鉄道模型店で働く白石さんは、毎週決まって遊びにくる池内さんという男性と親しくなります。
池内さんの話を聞いていくうちに、「熱帯」の謎を調べるグループ「学団」のメンバーで、
昔読んだ「熱帯」の内容を忘れないように黒いノートにその内容を書きとめ、ほかのメンバーと共有することで熱帯の全体像をつかもうとしていることがわかります。
そして、実は白石さんもその本を読んだことがあることを思い出し、それならと、池内さんから学団のメンバーに誘われます。
学団の集まりに参加してみてわかったこと、
学団員の共通点は
「熱帯」を読んだことがあるが、誰もが途中までしか読んでいない
ということでした。
本屋大賞と直木賞にダブルでノミネートした作品が「熱帯」!!
本屋大賞と直木賞にダブルでノミネートされた森見さんの「熱帯」。
これを知ったときには、読みたくて読みたくてたまりませんでした。
(でも、結構な厚さ。。表紙は暑そう笑)
ですが、電子書籍ならちょっとは緩和されそうな気もします。。
直木賞は、真藤順丈さんの「宝島」に決まりましたが、
平成最後の直木賞2019『宝島』真藤順丈(しんどう じゅんじょう)著あらすじは?
本屋大賞は一体誰の手に!!?
発表が今から楽しみですね✧
森見登美彦さんとは
奈良県生駒市出身、奈良市在住。
森見登美彦はペンネームで、「森見」は、本名の姓です。
登美彦は奈良県に所縁のある登美長髄彦を合わせたもので、地元愛に溢れ、地域に根付いた作家さんです。
奈良女子大学文学部付属中学校・高等学校(現:奈良女子大学付属中等教育学校)、京都大学農学部生物機能科学応用生命科学コースを卒業したのち、同大学の大学院農学研究科修士課程を修了しました。
ちなみに、在学中はライフル射撃部所属だったようです!!
デビュー後、しばらくは国立国会図書館職員との兼業作家として執筆活動を続けていたが、連載を抱えすぎて行き詰まり、2011年8月にすべての連載を休んで故郷の奈良にもどりました。
その休載は今回の「熱帯」をもってすべて清算が終わったようです。
森見登美彦 作品と受賞一覧
太陽の塔
2003年
第15回日本ファンタジーノベル大賞受賞
京都大学在学中に執筆した『太陽の塔』で小説家デビュー。
私の大学生活には華がない。特に女性とは絶望的に縁がない。三回生の時、水尾さんという恋人ができた。毎日が愉快だった。しかし水尾さんはあろうことか、この私を振ったのであった!クリスマスの嵐が吹き荒れる京の都、巨大な妄想力の他に何も持たぬ男が無闇に疾走する。失恋を経験したすべての男たちとこれから失恋する予定の人に捧ぐ作品
夜は短し歩けよ乙女
2006年
山本周五郎賞
本屋大賞2位
『夜は短し歩けよ乙女』
「黒髪の乙女」にひそかに想いを寄せる「先輩」は、夜の先斗町に、下鴨神社の古本市に、大学の学園祭に、彼女の姿を追い求めた。けれど先輩の想いに気づかない彼女は、頻発する“偶然の出逢い”にも「奇遇ですねえ!」と言うばかり。そんな2人を待ち受けるのは、個性溢れる曲者たちと珍事件の数々だった。
ペンギン・ハイウェイ
2010年
第31回日本SF大賞
『ペンギン・ハイウェイ』
ぼくはまだ小学校の四年生だが、もう大人に負けないほどいろいろなことを知っている。毎日きちんとノートを取るし、たくさん本を読むからだ。ある日、ぼくが住む郊外の街に、突然ペンギンたちが現れた。このおかしな事件に歯科医院のお姉さんの不思議な力が関わっていることを知ったぼくは、その謎を研究することにしたー。少年が目にする世界は、毎日無限に広がっていく。
聖なる怠け者の冒険
2014年
第2回京都本大賞
『聖なる怠け者の冒険』
社会人2年目の小和田君は仕事が終われば独身寮で缶ビールを飲みながら「将来お嫁さんを持ったら実現したいことリスト」を改訂して夜更かしをする地味な生活。
ある朝目覚めると、小学校の校庭でぐるぐる巻きにされ、隣には狸のお面をかぶった「ぽんぽこ仮面」が立っていて……ここから「充実した土曜日の全貌」が明らかになるーー。
夜行
2017年
第7回広島本大賞
『夜行』
「夜はどこにでも通じているの。世界はつねに夜なのよ」
私たち六人は、京都で学生時代を過ごした仲間だった。十年前、鞍馬の火祭りを訪れた私たちの前から、長谷川さんは突然姿を消した。十年ぶりに鞍馬に集まったのは、おそらく皆、もう一度彼女に会いたかったからだ。夜が更けるなか、それぞれが旅先で出会った不思議な体験を語り出す。私たちは全員、岸田道生という画家が描いた「夜行」という絵と出会っていた。
気になる本がありましたら、「熱帯」の次に読んでみてはいかがでしょうか?
登場人物は森見さんのお知り合いの方で、実在の人物のようです。
それがまた、この小説を不思議な世界へといざなっているのでしょう。
「熱帯」森見登美彦著兼主役!!直木賞アンド本屋大賞ノミネート作「誰も読み終えることができない小説」 あらすじは まとめ
森見さんの作品は、実在の人物が登場することが多いように思います。
不思議な世界観のある作品も多いです。
元国立国会図書館の職員さんというところには、親近感を覚えます。
お読みくださりありがとうございました。