図書館の本は、以下の記事でも書かせていただきましたが、保存という役割も担っているんです。
これ見たことある!?図書館が保存機能を持っているからこそ見られる様々な資料
保存するために購入しているという側面もあります。
館長によっては貸本屋で良いという認識をお持ちの方もいらっしゃいますが、
基本的に新しければ良いという収集はしていません。
そのため、いかに今日買った本を利用者の方に長く快適に読んでいただくため、ちょっと痛んできたら、修理という手段をとっています。
本の人生?本生では、何百回も読まれるものもあります。
ですがその回数は貸出された回数ですので、図書館にて借りずに読み切ってしまった、や一度は借りたけど、自宅に持って帰って家族揃って読んだ
などの場合数字には反映されません。
そう考えると貸し出しされた回数がその本全体の読まれた回数ではないんだろうなーと感慨深いです。
話がそれましたが、、、
図書館の本を長く読んでいただくために、修理しているというお話をさせていただきたいと思います。
本の形態ってどうなっているの?
上製本(ハードカバー)
上製本の特徴(ハードカバー)
- 表紙の芯に厚紙を使用
- 表紙は中身より周囲2、3mmほど大きい
- 表紙と裏表紙の内側に見返し紙という色紙がついている
並製本(ソフトカバー)
並製本(ソフトカバー)の特徴
- 芯なしのやわらかい表紙
- 表紙と中身は同じ高さ
- 見返し紙がない場合もある
ソフトカバーの本の方が若干軽くて通勤や旅行の際にはこちらを選ぶ方が多いです。
また、ソフトカバーの本の方が若干お求めやすい価格になっております。
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上製本(ハードカバー)の本の修理方法と並製本(ソフトカバー)の本の修理方法は少し違っています。
上製本(ハードカバー)
下記の図のように上製本(ハードカバー)は、背表紙の厚紙と、表紙裏表紙の板紙の間の寒冷紗だけで支えているところが、表紙面と本体面とで離れやすくなっています。
そこが離れてしまうことを「背割れ」と呼んで修理対象本になります。
そこを修理するには、
- 編み棒や菜箸位のような細くて長いものに接着剤をつけます
- ①の編み棒等を本と寒冷紗が離れてしまった「背割れ」の部分につけます。
- そのくっつけた場所がずれないように、固いメダマクリップ等で固定し、接着剤を乾燥させます。
すると、「背割れ」は嘘のようになおっています!!
接着剤が乾き切る時間はおおよそ1日!!
その期間は、本の上に重しを置いたりして、圧迫します。
また、図書館で使用している接着剤は、瞬間的にピタッと本の紙と紙が張り付かないので、微調整をしながら完璧な位置をさがします。
並製本(ソフトカバー)
並製本(ソフトカバー)の本で多いのは、「割れ」と呼ばれる破損です。
背中部分に厚紙がないので、広く広げて読むと、直接本体がパックリ割れてしまうことがあります。
これは比較的簡単になおります。
割れてしまった箇所に接着剤を適量つけ、本を閉じ輪ゴムで数日乾燥させます。
これで完成です!!
本の構造はどうなっているの?
上製本(ハードカバー)の構造はだいたいこんな感じになっています。
背中に入っている固い芯と表紙裏表紙共に入っている板紙で固い本になっています。
本がよく壊れやすいところは
壊れやすいのは、本体が割れてしまう背中と
ノドや背中から本体がペロッと縦方向に全部取れてしまうことや
本の本体が背中側からボロっと割れてしまうことが多いです。
直し方は上記に記したとおりです。
まとめ
本の破損する場所はだいたい決まっています。
完全に壊れてしまう前に修理ができれば、修理なんてしてないかのような仕上がりにできます。
その図書館ごとに考え方は違うと思いますが、長く利用者さんに利用していただきたい気持ちと次の世代に継いでいきたい気持ちは一緒だと思います。
ご自宅にある大事な本も壊れてしまったらご紹介させていただいた方法で修理してみてはいかがでしょうか??
お読みくださりありがとうございました。