今回は昔話を読み聞かせするときにオススメの絵本一覧です。
最近、読み聞かせで昔話を読んでいますか?
「子どもたちは古めかしい昔話を喜ばない」または「昔話なんて残酷」と思って敬遠していませんか?
ですが、図書館がおすすめするのは、最近出版された絵本より、実は昔話だったりするんです。
実際に昔話を読んでみると、お子さんたちは驚くほど熱中してお話を楽しんでいる様子が伺えます。
しかし、昔話の絵本選びが難しいというお声もいただきます。
ですので今回は年代別に昔話を読み聞かせするときのオススメ絵本を一覧でご紹介させていただきます。
読み聞かせにオススメ!小学校低学年向き絵本
ますは小学校低学年にオススメの昔話絵本を3冊ご紹介させていただきます。
かにむかし
岩波書店
12分
かにむかし (岩波の子どもの本) |
有名な日本民話「さるかに合戦」が木下順二氏の新解釈により、ユニークな絵本になりました。方言の味わいを生かしたリズミカルな再話に、清水崑氏ののびやかな墨の絵がぴったりです。
独特な文体を使っているので、はじめは読みにくいかもしれません。
しかし、聞き手のお子さんたちの耳には心地よく響くよう計算されて言葉を作られている絵本です。
かにと柿の木のやりとりや子がにとうすやはちなどの助っ人たちのやりとりは、特にお子さんたちの印象に残るので、よく練習して読むことをおすすめします。
絵も大人は「ちょっと古くてお子さんたちに受け入れられないかな?」と思いがちですが、昔話のこういった絵ってお子さんたちは気にしないどころか大好きで楽しんでくれます。
▼こちらの記事にも「かにむかし」を紹介した記事があります。
昔話を読み聞かせで使いたい!みんなが知っている王道の昔話4選!!
だごだごころころ
福音館書店
8分
ばあさんがだご(だんご)を作ってじいさんのところへ持っていくと、そのだごがころころころがって、鬼が棲む穴の中へ。ばあさんを助けようと赤とんぼが恩返しをするほほえましい昔話。
お話のテンポが良く、読み聞かせをすると、ケラケラ笑って聞いてくれるお子さんが必ずいるお話です。
幅広い年齢層で楽しめるのでお話会にも重宝します。
やまんばのにしき
まつたにみよこ 文
せがわやすお 絵
ポプラ社
15分
ある日、やまんばが子どもを生 んだので、餅をついて持ってこい という恐ろしい声が村中に響き 渡った。そこで「あかざばんば」 と呼ばれているばあさまが、やま んばに餅を届けるために道案内を することになった。
絵に対して文章が多いと感じてしまうかもしれません。
しかしお子さんたちは集中して聞いてくれます。
初めて読む長いお話の読み聞かせにもオススメです。
読み聞かせにオススメ!小学校中学年向き絵本
続いて小学校中学年向きの昔話オススメ絵本のご紹介です。
▼こちらの記事では小学校3、4年生向けのオススメ読み聞かせ絵本を紹介しています。
併せてどうぞ♪
うまかたやまんば
福音館書店
1988年
9分
峠で山姥に追いかけられた馬方は、魚の荷から馬まで、すっかり食べられてしまいます。さて、馬方の仕返しは……。
ハラハラドキドキしますが、うしかたとやまんばのやりとりでお子さんたちは大盛り上がりをみせます。
怖い話と思いきや、楽しんでくれる絵本です。
だいくとおにろく
松井直 再話
福音館書店
8分
大工は、村人たちに何度橋をかけてもたちまち流されてしまう川に、橋をかけ
てほしいと依頼される。大工が川をみつめていると、川の中から鬼が現れて、目玉とひきかえに橋をかけてやるという。
そうして2日後にはりっぱな橋が完成していた。鬼は目玉をよこせと大工にせまる。鬼の名前をあてれば、ゆるすという言葉に大工は山へ逃げていった。
昔話の定番のような絵本です。
詳しくは下記へどうぞ
王さまと九人のきょうだい
君島久子 再話
福音館書店
15分
子どものいないおじいさんとおばあさ んは、突然現れた老人から子どもが生ま れる丸薬を九つもらった。おばあさんが その丸薬を飲むと九人も赤んぼうが生ま れる。そして、この九人の兄弟が成長し た頃、王さまが国中に難題を出す。その 難題に対して、九人の兄弟は・・・。
▼こちらの記事では王さまと七人のきょうだいの読み聞かせの仕方を書いています。
初見では怖くて読み聞かせには選べないと思いがちですが、赤羽さんの怖いなかにもあるひょうきんな絵にお子さんたちは引き込まれます。
一度試してみてください。
読み聞かせにオススメ!小学校高学年向き絵本
最後は小学校5、6年生向きの絵本を2冊ご紹介します。
2冊とも外国の昔話です。
いしになったかりゅうど
大塚勇三 再話
福音館書店
12分
心のやさしい狩人ハイリブは、助けた白へびから恩返しとして、鳥やけもののことばがわかる玉をもらい受けます。ある日、鳥たちが「明日、大雨で山が崩れる」と話しているのを聞いたハイリブは、すぐに逃げるようにと村人たちを説得しますが、信じてもらえません。でも、鳥のことばがわかることを他の人に話してしまうと、ハイリブは石になってしまうのです。ハイリブはしばらく悩んだ末、決めました。自分ひとりで逃げ出すことはできない。村人にすっかり事情を話し終わるころ、ハイリブは、石に変わってしまいました・・・・・・。
モンゴルの民話です。
奥行きのある物語なので、しっかりとした練習が不可欠です。
もっとも大切な最後のページはお子さんの余韻まで考えた読み方をしてあげましょう。
ブレーメンのおんがくたい
グリム 〔原作〕
ハンス・フィッシャー え
せたていじ やく
福音館書店
12分
飼い主に見放されたろばといぬとねことおんどりが、ブレーメンの町の音楽隊にはいろうとそろって出かけます。途中で日が暮れて、やっとたどりついたのは、なんとどろぼうの家でした。おんどりはねこの上に、ねこはいぬの上に、いぬはろばの上にたって、いっせいに窓から部屋へなだれこみました。驚いたどろぼうたちはいったんは逃げだしますが、再び家にもどってきます。4ひきは家の中で寝ていましたが……。
お子さんたちが大抵小さい頃から知っているお話なので多少長いですが、すんなりお話に入ってくれる絵本です。
また、大爆笑を得られる絵本でもあります。
読み聞かせに向いている昔話絵本!絵本の一覧を昔話のあらすじとともに小学生の年代別にご紹介 まとめ
さて、いかがだったでしょうか。
読み聞かせに敬遠しがちな昔話は実は図書館員の中では、最初に選ばれがちな絵本だったのです。
そして、先輩司書にも「最初の読み聞かせ練習なら、コレ読んでみたら?」とオススメされるジャンルでもあります。
意外とお子さんたちは小さい頃から昔話を大人から聴かせられているのですんなりお話が入ってくることが多いんですよね。
次回の読み聞かせの際にはどうぞ昔話などいかがでしょうか?
最後までお読みくださりありがとうございました。