今回は昔話を読み聞かせで使うときのオススメ 絵本をご紹介します。
「昔話を読み聞かせで使いたい!」
「でも有名な昔話は読み尽くしちゃった」
などのお声をいただいたのでまとめてみました。
昔話を読み聞かせするときのオススメ絵本4選
これからご紹介する絵本はお話会や読み聞かせで重宝するものです。
ご自身のレパートリーにひとつ加えておいてあげると読み聞かせの幅が広がりますよ!!
また、それぞれの絵本の本来のお話を載せておきましたので、作品名は変えずに他の画家さんの絵本を読み聞かせに使いたい場合は、お話しが本来の流れを汲んでいるものを選んでいただければ間違いないです。
三びきのこぶた
三びきのこぶたの本来のおはなしは、
- ワラの家と木の家を建てた2匹のお兄さん豚がオオカミに食べられてしまう
- レンガの家を建てた弟ぶたは3度もオオカミに食べられそうになるけど逃げ延びる
- 最後、オオカミを食べちゃう
といいうお話で、下記の絵本はそれに忠実です。
ところが、絵本の中には、2匹のお兄さんぶたも生き延びて、オオカミと仲直りするというお話に再話者が変えてしまった例もあります。
私が読んだり聞いたりした話も、ぶたにいさんたちは食べられなかったかも。。
これは「教育的配慮」と呼ばれるもので、
おとなたちが、少し残酷すぎる、ハッピーエンドではないといった理由でお話が変わってしまいました。
また、文章が長いからといった理由で途中の重要なエピソードを省略してしまうケースもあります。
こういったことは、昔話の魅力を充分に伝えられていないので、絵本の中をしっかり見て選んでください。
子どもたちは、ぶたさんたちが食べられてしまったとしても、聞いている本人たちは弟ぶたになりきって、どきどきしたりほっとしたりしています。
小さいからといって現実と混同などはせず、ちゃんと「うそっこ」とわかって聞いて楽しんでいるから大丈夫ですよ!!
昔話は残酷か
東京こども図書館が出版しています。
本当に子どもたちに上記三びきのこぶたを読んでも大丈夫なのか心配な親御さんはこちらをご参考になさってください
図書館の読み聞かせでは原作に近いものを読み聞かせの絵本に用いています。
ですが、ご家庭でご自身のお子さんのためだけに読み聞かせをされる場合には、
- 誰も死なない
- ハッピーエンドで終わる
そんな昔話もありますのでそちらをお選びくださいね。
おおきなかぶ
福音館書店
「うんとこしょ どっこいしょ」
「まだまだカブはぬけません」
【司書が選ぶ】読み聞かせの本って何を選べばいいの?読み聞かせの絵本を選ぶ時のポイントとは!
これもこちらで解説した通り、「くりかえし」を使っていますね。
この「大きなかぶ」には4つの原話があります。
そしてその4つの中には猫とねずみが出てこないものもあるのです。
おおきなかぶのアファナーシエフ編とヴェッソーノフ編には、猫とねずみが出てきません。
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アファナーシエフ編
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ヴェッソーノフ(ベッソーノフと表記されているものもあり)編
→猫とねずみが登場しない。
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オンチュコーフ編
→猫は出てこないがねずみが登場する
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ニキーフォロフ編
→両方とも出てくる。
代わりに出てくるものがなんと、「一本足」
一本足とは名前の通り一本の足がやってくるんです。
それでもかぶは抜けませんから次々と一本足がやってきて5本になったところでやっと抜けます。
このおはなしは、昔幼児の遊び歌だったものを物語にしたようです。
ですから、上記の「三びきのぶた」のような教育的配慮でねことネズミが出てこないわけでも一本足がでてこないわけでもないようです。
いっすんぼうし
いしいももこ ぶん
あきの ふく え
福音館書店
いっすんぼうしは、少彦名命(スクナヒコナ)のお話だとも言われるほど有名なお話。
「一寸法師」の原話は「御伽草子(おとぎぞうし)」という江戸時代の物語集に記載されています。
原話では、
- 一寸法師は40歳を過ぎても子どものできない夫婦が住吉大社にお参りに行ったら念願の子どもを授かることができた。
- なん年経ってもちっとも大きくならない一寸法師子ことを夫婦は「妖怪の使いなんなじゃいか?」などど訝しむようになり、追い出されてしまう
そして、一寸法師は京都へ行き、姫に一目惚れをします。
- どうしても姫と結婚したい一寸法師は、姫が寝ている間に、米一粒を姫の口につけ、自分の米が盗まれたと騒ぎ立てる。
- 姫と一寸法師は追い出される
鬼をやっつけて、打ち出の小槌を手に入れ、京都へ戻り結婚する。
姫にを罠にはめる一寸法師。。
このエピソードは今の一寸法師にはでてきませんね。
かにむかし
木下順二 ぶん
清水崑 え
岩波書店
江戸時代の『猿蟹合戦絵巻』の登場人物は、
- 臼(うす)
- 蛇(へび)
- 蜂(はち)
- 荒布(あらぬの)
- 包丁(ほうちょう)
が集まっています。
題名や内容には、時代や地域による変化が見られ、昭和末期以降には、蟹や猿は死なずに大怪我で済み、敵討ちされ反省した猿が蟹たちに謝り意地悪を止めると改作されたものが多く出回わりました。
こちらで紹介している「かにむかし」も2009年の作品なので猿は死にません。
昔話を読み聞かせで使うときの注意点
「昔話絵本を読み聞かせで使うときは、こんなことにご注意くださいね。」というのをまとめてあります。
お時間ある時にでも目を通しておいていただけると良いかと思います。
昔話を読み聞かせで使いたい!みんなが知っている王道の昔話選!! まとめ
いつの時代の昔話を読んでいただくにも、上記でご紹介した4冊は読み聞かせに大変適しています。
教育的配慮や改変などあまり深く考えず、物語と絵があっているかを目安に昔話は選んでいただくと失敗がないように思います。
こちらの記事を読んでいただくことで昔話絵本を選ぶことに抵抗が少なくなったと感じてくだされば幸いです。
最後までお読みくださりありがとうございました。
そのほかの昔話を読み聞かせで使いたい場合には下記の記事を参考にしてください!!