今回のターゲットは木村友祐さんです。
2019年下半期の芥川賞候補になった『幼な子の聖戦』が話題となった木村友祐さんのことを記事にしていきたいと思います。
芥川賞・直木賞候補発表されました!第162回芥川賞・直木賞候補作品決定!(2019年下半期)
木村友祐さんのご出身地である青森県の南部弁を用いた作品を多く出版されています。
そんな木村友祐さんの全作品を時間の許す限りご紹介したいと思います。
海猫ツリーハウス
2010年
集英社
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【第33回すばる文学賞受賞作】
木村友祐さんのデビュー作です。
主人公は、25歳の青年、亮介。服飾デザイナーを目指して専門学校に通っていた時期もありましたが、夢を追い切れずに中退。
その後は実家の農家の手伝いをしながら、親方のもとでツリーハウスづくりに精を出しています。
そんななか、都会に出ていた兄の慎平が、自給自足の生活を求めて帰ってくることになりました。慎平の帰郷をきっかけに、亮介の送っていた平穏な生活のバランスが崩れていき……。
八戸出身の著者が、八戸を舞台に、登場人物たちに八戸弁で語らせ、全体を通して八戸弁で語られている八戸に根ざした作品です。
男同士の兄弟ってこんな!!??とちょっと怖いなと思うところもあります
現代の太宰治? 大いに悩む!
25歳の亮介は、デザイナーを目指しながらも、農業を手伝いながら「親方」のもとでツリーハウス作りに精を出す毎日。人気者の兄・慎平の帰郷がきっかけとなり、つかの間の均衡が崩れはじめる……。
イサの氾濫
2016年
未来社
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40代になりいよいよ東京での生活に行き詰まりを感じていた将司は、近ごろ頻繁に夢に出てくるようになった叔父の勇雄(イサ)について調べるため、地元八戸にむかった。どこにも居場所のなかった「荒くれ者」イサの孤独と悔しさに自身を重ね、さらに震災後の東北の悔しさをも身に乗り移らせた彼は、ついにイサとなって怒りを爆発させるのだった。
(出版社より)
聖地Cs
2014年
新潮社
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原発事故による居住制限区域内で被曝した牛たちを今も生かそうとする牧場で、ボランティアに来た女性が見たものはー「聖地Cs」。非正規雇用で働く男性が「猫が苦しむ社会は、ヒトも苦しむ社会」だと切実に思うまでの日々を描いた「猫の香箱を死守する党」。
(出版社より)
野良ビトたちの燃え上がる肖像
2016年
新潮社
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「生きてるうちは、生きなきゃなんねぇからな」怒りと希望に満ちた世界を描く問題作。河川敷で猫と暮らす柳さんは、アルミ缶を集めて生活費とキャットフード代を稼いでいる。あちこちでホームレスが増えてきたある日、「野良ビトに缶を与えないでください」という看板を見つける。やがて国ぐるみで野宿者を隔離しようとする計画が……。ほんの少しだけ未来の日本を舞台に、格差、貧困、差別の問題に迫る新鋭の力作。
(出版社より)
幸福な水夫
2017年
未来社
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「それにしても、震災前と震災後では、ぼくの書き方はガラリと変わってしまった」。
「幸福な水夫」(2010年発表)、「突風」(2015年発表)の小説2篇と書き下ろしエッセイ「黒丸の眠り、祖父の手紙」を収録。書き方は変わっても、郷里の家族とちいさな命を見つめるまなざしは変わらない。温かな、ときに激しい南部弁の響きに満ちた作品集。(出版社より)
幼な子の聖戦
2020年1月
集英社
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幼な子の聖戦”>
「幼な子の聖戦」–人妻との逢瀬を楽しみながら、親元で暮している「おれ」は青森県の小さな村で村議をしている。「おれ」は県議に人妻の件で決定的な弱みを握られ、立候補した同級生への選挙妨害を強いられる。疲弊した村の現実と、地元を愛する同級生の熱い演説。小さな村の選挙戦は、思いもかけぬ方向へとーー。
(出版社より)
木村友祐の全作品一覧!!芥川賞候補作品「幼な子の聖戦」もあり、デビュー作「海猫ツリーハウス」もあり。 まとめ
古市さんの発言で「参考文献作家」などと呼ばれ思いもよらぬフューチャーのされ方をされましたが、
ご著書を読んでみると、地元八戸に基づいた愛を感じました。
お時間ありましたら、どのご著書からでも良いので1冊読んでみると良いかと思います。
震災の後の東北のお話しなどは心が痛みます。
最後までお読みくださりありがとうございました。