図書館では、毎週読み聞かせをしています。
読み聞かせとは
読み聞かせとは、未就学児から小学校中学年くらいまでのお子さんに絵本を読む会のこと。
読み手がひとりに対して聞き手もひとりの場合もあれば、
読み手がひとりに対して聞き手が大人数のこともあります。
図書館ごとによって違いますが、地区の保健センターや介護施設、学校にも出張で読み聞かせを行っているところもあります。
どこで行っても大人気の「絵本の読み聞かせ」。
本をお子さんに読むととても楽しそうなので行っていたのですが、実は様々なところに効果が潜んでいたようです。
さてそれは一体どのようなものなのでしょうか?
親に甘えたい気持ちが満たされる
絵本を読んでもらえると、子どもは見てもらっている、関心を注がれているという安心感を得ます。
それに伴い、不安や愛情不足からくる機嫌の悪さや、少しの刺激に敏感などの問題行動が減少します。
子どもの脳の発達の手助けになる
カナダのモントリオール大学で行われた実験によると、生後24時間以内の赤ちゃんが母親と他の看護師さん等の女性の声を聞き分けていました。
そして、スタンフォード大学の薬学部で実施された研究によると、母親の声を他の一般女性と比べたとき、子どもたちの脳にどのような反応を与えるかを調べたところ、音を認識する聴覚野だけでなく、感情をつかさどる領域、顔を認識したり、喜びを感じたり、社会的コミュニケーション能力に欠くことのできない脳の領域までもが、同時に刺激を受けていました。。
音を認識する聴覚野だけでなく、感情をつかさどる領域、顔を認識したり、喜びを感じたり、社会的コミュニケーション能力に欠くことのできない脳の領域までもが、同時に刺激を受けていたという事実です。
母親のストレスが減る
自分の子どもに読み聞かせをするとき、大抵膝の上にのせて読むか、夜、寝る前に読むことが多いでしょう。
そんなとき大抵子どもは落ち着き、肌と肌が密着しています。
子どもとただ触れ合う。
それだけで母親のストレスは減少します。
上記の、この子どもによる問題行動が減少することも母親のストレスが軽減することも、影響を与えています。
母親の子どもに対する主なストレスは、子どもがいうことを聞かない、付きまとってくる、などです。読み聞かせにより、それらの問題行動も減少するのという研究結果もでています。
落ち着く
図書館でも初めて読み聞かせをする「お話会」に参加するお子さんは、落ち着きのない子が多いです。
ですが、回数を重ねるうちに、じっと座って、集中してお話を聞くことができるようになります。読み聞かせ自体、じっと座って聞かなくてはいけないということではありませんが、落ち着きが出ると、お母さん自身の安心にもつながりそれがお子さんにもつながり相乗的に良い結果が生まれます。
これは図書館員が読み聞かせを行うもので、お母さんの声ではありませんが、一定の効果があります。そして、毎週同じお話会に参加することによって、お母さん同士が仲良くなり日頃、小さい子としか接していない閉鎖的な環境に置かれてしまう若いお母さんの癒しの場にもなります。
まとめ
わたしたち、図書館員は絵本を子どもに読み聞かせするとき、効果があるから読もう!!とは考えてはいませんでしたが、効果があるというお声をたくさんのお母様方や教育関係の方から聞かせていただきました。
ご自宅では、読み聞かせという意識ではなく、お母さんの声をただ聞かせてあげるだけでも効果があるということがわかりました。
いま流行りのスマホやテレビに子守をさせていると、時間的にはラクになったように思えますが、読み聞かせをする子育てに比べて親子関係が希薄になり、子育てストレスも増えてしまいます。
ほんのちょっとの時間でもいいのでお子さんと触れ合う時間、お話する時間、本を読んであげる時間を作ってあげると良いかもしれません。
子どもが小さい時間はあっという間です。
構って欲しいと言われる時間もあっという間です。
その時間を楽しみ、慈しめるようにするのは自分次第でできてしまいます。